北朝鮮・朝鮮労働党の中央委員会(中央党)内部で、最近「青い絨毯(カーペット)の上に立つな」「殻を脱げ」という言葉が、幹部たちの合言葉のように広がっていると韓国のサンドタイムズが伝えた。

北朝鮮では来年、「第9回朝鮮労働党大会」が開催される。大会を大々的に成功させるため、金正恩総書記はあらゆる分野で労働党幹部たちに成果を求めている。その結果、わずかな失策や指示違反でも苛烈な公開批判と人事処分が下される状況が常態化し、幹部たちは極度の緊張状態に置かれている。

複数の対北情報筋によれば、中央党は数十の部署が密に構成され、部署間の実績競争は激烈だ。報告の遅延や指示の誤読といった小さなミスでも、担当幹部は会議場の演壇へ呼び出され、全員の前で「批判討論」を受ける。特に中央党会議場の主席団中央には、赤い絨毯の中に約1平方メートルの「青い絨毯」が敷かれており、ここが“処罰の舞台”となる。

一度この青い絨毯に立たされると、解任、除党、罷免、さらには平壌追放まで避けられないとされている。多くは地方へ降格され、“革命化”と呼ばれる3年間の再教育過程を強いられる。中央党組織指導部はこの期間、対象者の思想と生活全般を執拗に監視し、所属単位の党書記は「トイレ利用回数」まで含めた生活記録を時間単位で報告しなければならないという。

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若く後ろ盾のある幹部は、3年の革命化を終えた後に金正恩国務委員長の「方針」を受け、中央党へ復帰する例もあるが、それは極めて稀だ。年齢が高い、または失策が大きい場合は復帰の道はほぼ閉ざされ、地方工場や企業所の幹部として働きながら“殻を脱ぐ”過程を続けるしかない。ある情報筋は「後ろ盾があっても年齢が高ければ復帰は難しく、処罰を受けたままでは子どもの将来にまで影響が及ぶ」と語る。

幹部たちは失敗への恐怖から、会議前夜にも報告書を何度も読み返し、「時間誤差のない報告」を自らに課しているという。別の情報筋は「青い絨毯に立つということは、政治的生命の終わりを意味する」と述べ、「だからこそ『青い絨毯に立つな』という言葉が、生存のための暗黙の信条になっている」と話す。

北朝鮮内部では、こうした統制強化について「金正恩時代の新しい革命化体制だ」との声も出ている。幹部階層でさえ、常に緊張と競争、そして処罰の恐怖の中に置くことで、体制の引き締めを図る“恐怖統治”が一層日常化しているようだ。