張成沢と直間接的に関係がある軍部人士の影響で、崔龍海が軍部掌握に苦労しているのも事実である。最近に入り軍部人士に対する階級降格及び昇格が多発し、李英鎬(リ・ヨンホ)元総参謀長に続く玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)の早期解任も張成沢と崔龍海の葛藤の結果としてみる視点も存在する。
北朝鮮軍高位幹部出身の脱北者は「張成沢と崔龍海が談合し李英鎬を除去した後、二人が軍部で実力争いを起こしている。北朝鮮軍の特性上、あからさまに勢力拡張を図ることは難しいが崔龍海が人脈を拡大している様子は明らか。張成沢の強固な軍の人脈を意識し、崔龍海は軍団司令部と集団軍司令部、特殊戦司令部を中心に影響力拡大に拍車をかけている。過去、社労青事業当時、ともに活動した世代らが崔龍海の登場に合わせて軍内部でも目立ちだした。まだ張成沢ほどではないが崔龍海も軍内部で本格的に勢力固めをしていくのでは」と話した。
彼はさらに「北朝鮮の武力で政治的意味を持つ核心部隊のうち、護衛総局、特殊部隊、保衛司令部は依然として張成沢の影響力が非常に強い。金正恩の信任や総政治局長の立場をしてもまだ張成沢の地位を越えることは容易ではない」と分析。そのうえで「金正恩の権力が金正日に比べ不完全なため、張成沢と金慶喜(キム・ギョンヒ)、崔龍海がけん制と均衡を繰り返している。崔龍海が金正恩の後押しで張成沢に挑戦する可能性も排除できない」と話した。
最後に彼は「張成沢は軍部のみならず党と保衛部、保安部にいたるまで強固な基盤がある。さらには金慶喜と身分的かつ戦略的に結合している。しばらくは二人の間でけん制関係が続くのでは。もし張成沢と崔龍海が衝突する場合、北朝鮮で前例のない政治的抹翌ェ吹き荒れるだろう」と展望した。