北朝鮮の生活実態と言えば、食うや食わずで餓死者続出という固定観念が強いが、実際は最近の市場経済化のおかげで、生活レベルが徐々に向上しつつある。そんな中で人気を集めているのは、韓国製の化粧品、韓流コスメだ。

北朝鮮当局は、市場で売られている韓流コスメを取り締まりの対象としているが、最近ゆるくなった隙に売れ行きを増やしているという。また、主な購入層も富裕層から中間層、さらには一般庶民にも拡大する傾向にある。

両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋によると、昨年までは韓国製品を売るなんて想像もできなかったが、今では市場で韓流コスメやシャンプーなどが飛ぶように売れるようになり、今では取り締まる側のはずの保安員(警察官)までもが、値段交渉をして買い求めるような状況となっている。

党幹部も、取り締まりそっちのけで韓流コスメに夢中になっている。商人も、運悪く取り締まりに引っかかったとしても、お得意様の党幹部に頼めば問題なく処理してくれるため、安心して韓国製品を販売できる。

北朝鮮国民が愛用する韓流コスメは、化粧水と乳液、BBクリームなどの基礎化粧品。富裕層はSK-2などの外国製の機能性化粧品を好む。とりわけシャンプーやリンスは一般庶民も使うようになった。商店主の外見の良し悪しで売れ行きが左右されると言われていることで、女性商人は以前にも増して身だしなみに気を使うようになったことも、売れ行きを下支えしている。

韓流コスメのことを知らなかった人びとも、実際に使ってみた人から「中国製より韓国製の方がいい」とクチコミで聞いて、韓国製を選ぶようになっている。市場で売られている韓国製のシャンプーは複数あるが、値段は6万2500北朝鮮ウォンから。3本入りセットは16万北朝鮮ウォンで売られている。1セット13万北朝鮮ウォンの低価格消費は若者層に人気だ。

韓流コスメの人気は、平城(ピョンソン)、南浦(ナムポ)、吉州(キルチュ)など平壌に近い中小都市にとどまらず、清津(チョンジン)、恵山(ヘサン)などの地方都市などにも広がりつつある。

朝鮮中央テレビは今年4月、オープンを控えた平壌市内の総合レジャー施設「ヘダンファ(ハマナス)館」を金正恩氏が視察する様子を報じたが、その映像には内部の化粧品売り場の看板には、ランコム、ロレアルなど西洋の化粧品ブランドと並んで、韓国製のラネージュの名前が入っていたことで話題を集めた。

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