北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは、今年1月1日に放送した新年慶祝講演で、金正恩総書記の妹の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長が、女児と男児の手を繋いで歩く姿を公開した。
韓国の情報機関の国家情報院は、金与正氏と手を繋いでいた子どもたちが彼女の実子である可能性について分析を行っているとしたが、これまでに彼女の結婚や妊娠、出産については、北朝鮮の公式情報により確認されていない。
(参考記事:「驚くべきこと」金与正氏の”子ども”登場で北朝鮮国民が興奮)これについて、北朝鮮の駐クウェート大使代理を務め、脱北して2019年に韓国に入国したリュ・ヒョヌ氏が、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)とのインタビューで語った。
リュ氏は2014年9月、「金正日の金庫番」として知られる義父・全日春(チョン・イルチュン)元朝鮮労働党39号室長と共に、金正恩氏の生母である高容姫(コ・ヨンヒ)氏の墓参りに行ったときに、金与正氏の家族とばったり出会った。
彼は、金与正氏の夫と思しき人物を目撃した。以下、リュ氏の証言だ。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面「金与正氏は(私の)義父に『母の墓所を訪ねてくれてありがとう』と挨拶をしました。義父が(金与正氏に)家族を紹介してくれて、彼女と握手をして挨拶を交わしました。彼女の隣に身長180センチ近い美男子が立っていました。彼女の結婚式の写真で見た夫と同一人物であることに気づきました」
(参考記事:金正恩「出生の秘密」暴露され激怒…父の「愛人女優」は処刑の憂き目に)リュ氏によると、金与正氏と夫との馴れ初めは、金日成総合大学特設班での出会いで、2014年9月当時、彼は、朝鮮人民軍総政治局組織部軍団指導課の副部長として勤務していたとのことだ。
韓国では、今まで何度も、金与正氏の夫に関する憶測が浮上している。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面国営の朝鮮中央通信は2022年6月、朝鮮労働党組織指導部と宣伝扇動部の責任イルクン(高位幹部)が、医薬品を住民に送ってほしいと、部署の初級党委員会に提起したとの記事を配信したが、同時に金与正氏が長身の男性が向かい合い、医薬品の入った箱を渡す写真も配信した。
この男性が金与正氏の夫ではないかとの説が持ち上がった。男性が腰をかがめずにいることから、このような構図は夫婦だからこそ可能だというのが、その論拠だ。
(参考記事:「妹じゃなきゃ処刑だ」金与正軍団に冷たい視線)
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面彼の正体に関しては、朝鮮労働党の下級官吏の子息説、崔龍海(チェ・リョンへ)最高人民会議常任委員長の息子説、金日成総合大学を出た「チェ・イナク」という人物説が持ち上がったが、リュ氏はそのいずれもが事実と異なるとした。
中でも崔龍海の息子説に関して、「彼には一人息子がいて、妻は牡丹峰楽団の声楽歌手」だと述べた。