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米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は9日、ロシアとウクライナ両軍から伝わる情報を総合し、3人の北朝鮮兵が銃撃戦の末にロシア兵5人を射殺し、脱走したと報じた。

RFAによると、事件は1月中旬に起きた。舞台となったのはクルスク州の前線に位置するボリショイ・ソルツコイェ村で、北朝鮮兵らが事前に謀議し、ロシア兵を殺害したという。3人は小火器と実弾、手りゅう弾などを持ち逃走中だ。

事件の背景には、食糧など補給品をめぐるいさかいがあったもようだ。

(参考記事:北朝鮮「骨と皮だけの女性兵士」が走った禁断の行為

ロシア軍などが3人を追跡中だが、すでに3週間が経過していることから、彼らがウクライナ軍の占領地域に逃れた可能性にRFAは言及している。

3人の動機は詳らかでないが、韓国のNGO・自主国防ネットワークのイ・イル事務局長はRFAの記事中で、次のようなエピソードを紹介している。

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「12月初め、ウクライナ軍事情報局がロシア軍の通信を傍受して得た情報をひとつ公開しました。クルスク突出部の東部地域に配置されたロシア軍第11近衛空中強襲旅団で補給品、特に食糧分配の問題が発生し、北朝鮮軍の一部の兵力が栄養失調になる状況がありました。このため北朝鮮軍とロシア軍の間で補給品問題をめぐって深刻な対立が起こり、そのため一触即発の危機が高まり、ロシアはレニングラード軍管区支援担当副司令官のメブリュトフ少将という人物を急派し、部隊の倉庫を開き、北朝鮮軍に食糧を配ったことがありました」

ロシア軍の補給の貧弱さはつとに知られているが、北朝鮮軍もまた、自国内で食糧不足などに苦しんできた。

ロシアに派兵された精鋭部隊は、一般部隊と比べればだいぶマシな状況にあったと思われる。だが、それは「北朝鮮の基準」においてだ。しかも過酷な最前線では体力の消耗は一段と増すだろうし、食糧さえ満足に供給されなければ「やってられない」となるのが人情だろう。

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金正恩総書記は、ロシアとの協力関係を強化するために派兵に踏み切ったわけだが、もしかしたら、これは逆に両国の国民感情を悪化させるかもしれない。

(参考記事:【写真】「北朝鮮の不良弾薬が暴発し吹き飛ぶロシア兵」衝撃の瞬間

「食べ物の恨みは恐ろしい」とよく言われるが、両軍の間ではすでに、殺し合いまで起きているのだ。それが徐々に国民に伝われば、良い感情を抱きようもないだろう。

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もっとも、当事者たる前線の兵士たちが故郷へ帰還し、人々にそのことを語れるという保証はどこにもないわけだが。