韓国の江原道では政府のデジタル放送切替政策により、道内全地域の地上波アナログTV放送が25日午後2時、一斉に終了した。北朝鮮側の江原道地域では韓国のテレビが見れなくなり、住民たちは落胆している。

江原道のデイリーNK内部情報筋は「韓国のテレビを楽しみにしてきた人々は、急に見れなくなり落胆している。地デジ用のデコーダーの入手は不可能に近い」と語った。

「奇妙な文字が画面に現れて、突然電波が切れた。知識のある人によると、地デジ対応のテレビやデコーダーを買えばいいらしいけど、そんな大金はない。韓国のテレビ局は冷たいと愚痴をこぼしている」

「KBS1テレビで午後6時からやっている『6時私の故郷』を見て心の慰めにしていた人々は、夕方の楽しみがなくなったとぼやいている」(内部情報筋)

液晶テレビを北朝鮮で買おうとすると少なくとも700ドルはする。これを現在の為替で換算すると北朝鮮貨幣で450万ウォン、コメ450キロ分に相当する。とても庶民の手には届かない。

しかし、幹部やトンジュたちは相変わらず韓国のテレビを楽しんでいる。

中国の丹東では韓国のアナログテレビ終了に備えて北朝鮮のトンジュや幹部から液晶テレビの注文が多数入っているという。

密輸業者のキムさんは「昨年から液晶テレビを入手してくれという依頼が増えた。今年初めには1ヶ月で5台程度、現在は1ヶ月に10台ほど売れる。幹部の家では、液晶テレビを2~3台持っているのが当たり前だ。取締に備えて、朝鮮中央テレビしか映らないテレビも置いている」と説明した。

知識のある人は、室内に衛星アンテナを設置して韓国のテレビを思う存分楽しんでいるという。卓上型のパラボラアンテナは、屋外用に比べると性能は劣るものの、中国で買うと300~500人民元(約6000~1万円)とお手頃プライス。

韓国のデジタル放送推進協議会関係者は「25日から江原道地域へのアナログ放送の送出を正式に中断した。北朝鮮の視聴者のために別途アナログ放送を送出する計画は無い」と述べた。

【追記】韓国政府は12月25日、北朝鮮向けのアナログテレビ放送を継続する方針を明らかにした。

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