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デイリーNKの咸鏡北道(ハムギョンプクト)の情報筋によると、会寧(フェリョン)市の安全部(警察)は先月28日、分駐所(交番)長会議を開き、中国キャリアの携帯電話の不法所持行為を厳しく取り締まるよう指示した。

市安全部はこの席で、外部情報の流入、内部情報の流出経路となる中国キャリアの携帯電話使用者を一掃するために、安全員が摘発するだけでなく、住民の自発的な申告も引き出さなければならないと強調したという。

中国キャリアの携帯電話に対する北朝鮮当局の取り締まりは、日を追うごとに厳しさを増している。

情報の流入と流出はいずれもスパイ罪に問われかねない重罪であり、極刑を下された例も少なくない。

道内の別の情報筋によれば、2021年には年末の3カ月間だけで18人もの男女が処刑されたという。いずれも中国キャリアの携帯電話を使って密輸や送金ブローカーを営んでいた人々で、国外に国、党、軍の機密を売り渡し、韓流コンテンツを輸入したという容疑かけられ、「韓流取締法」とも呼ばれる反動思想文化排撃法違反とみなされた。同法の最高刑は死刑である。

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この18人の刑執行は公開でなく、安全部施設内の密室で行われた。

北朝鮮の安全部に連行された経験のある人物によれば、留置所や取調室に入れられること自体がとてつもない恐怖だという。ほかの国の警察署と同様に、留置所や取調室に窓はない。特徴的なのは、照明が暗くて取調官の顔すらよく見えないことだ。そうなると、誰が、何を自分に対してしようとしているのか、相手の表情からうかがうことがまったくできない。

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人間はそんな状況に置かれたとき、嫌な想像を膨らませ、恐怖を倍加させるのかもしれない。

当時、18人に対する刑執行が密室で行われた理由は定かではないが、ある女性はハンマーで撲殺されたのだという。北朝鮮当局の人権侵害を追及する国際社会の目を気にしたのかもしれないが、目的はほかのところにあった可能性もある。

(参考記事:欲望を抑えられず…北朝鮮の男女4人「禁断の行為」で公開処刑

会寧市の安全部が今回の指示で、「住民の自発的な申告」を増やすようハッパをかけたのは前述したとおりだ。安全部や保衛部(秘密警察)は電波探知機などを導入して摘発を進めているが、いっこうに中国キャリア携帯の使用がなくならないのを見ると、効果に限界があるのだろう。

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だからこそ住民の申告(自首)を増やそうとするわけだが、摘発された人々がどんな目に遭わされるかが知られてしまえば、成果は上がりようがない。

もっとも、いくら隠しても安全部のやり方は「口コミ」で知れ渡っている。北朝鮮国内から中国キャリア携帯が一掃される日は、しばらく来そうにない。