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両江道(リャンガンド)の別の情報筋によると、10年前と比べて軍に入る女性が目に見えて増えた。かつては高射砲、海岸砲、通信部隊や軍医所などに限られていた配属先が、今では部隊の指揮部の警備まで女性兵士が担う事例が多くなっている。

女性だけの独立中隊や小隊も存在し、男性兵士と同様の訓練はもちろん、陣地の構築、農作業、薪の切り出しなど体力的にきつい作業も行っている。

しかし、生理用ナプキンがめったに配給されないなど、軍の補給は女性兵士の増加に追い付いていない。それどころか、男女ともに使う生活必需品、食糧の供給も足りていない。

(参考記事:赤ん坊を生き埋めにした北朝鮮軍の女性兵士の「事情」

生理用ナプキンは毎月10個配給されることになっているが、実際は3〜4カ月の1回だけで、女性兵士は、綿の下着を切ってナプキンの代用品として使っている。また、歯ブラシ、歯磨き粉は2カ月に1回配給される規定があるが、実際は一切配られないため、自費で調達するしかない。

またコロナ禍以降、ゴムの輸入が制限されたため、こんな笑えない冗談のような話もある。

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「冬の寒い日に、炊事場のかまどの焚口に足を突っ込んで温めていたら、ゴムでできた防寒靴が溶けてしまい、夏用の布製のスニーカーを履いて我慢する女性兵士も多い」(情報筋)

10年以上の男性の兵役より短いとはいえ、5〜6年も続く軍での苦しい生活に耐えきれなくなる女性が出てくるのも無理はない。だからといって実家に逃げ帰れば、祖国防衛忌避者の烙印を押される。だから、妊娠という極端な手段を使って帰ろうとするのだが、軍上層部は同様の手法を使う女性が多数出ることを懸念している。

また、監督不行き届きで責任を取らされることを恐れた部隊の指揮官は、妊娠した女性の部下を病院に連れていき、無理やり中絶手術を受けさせるのだという。

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いずれにせよ、本人の意思に反した強制堕胎は、人権侵害であり、極度に長い兵役、補給の軽視も、人間一人ひとりを尊重するという視点が欠けている北朝鮮という国のあり方が現れている。