北朝鮮の金正恩総書記は、7月末の大水害で被害に遭った人々のうち、子ども、老人、病人、栄誉軍人(傷痍軍人)、乳児とその母親を平壌に連れていき、復旧工事が終わるまで面倒を見ると、大風呂敷を広げた。
先月15日、1万3000人の被災者が平壌に到着し、金正恩氏は歓迎演説で出迎えた。被災地に残された人々からは「平壌に行けて羨ましい」との声が上がっていたが、実際はそうでもないようだ。
(参考記事:北朝鮮の水害被災者「平壌行きチケット」巡り熾烈な争奪戦)米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は、実際に平壌に行った伯父に会った平安北道(ピョンアンブクト)の情報筋の話として、被災者は朝から夜までギチギチのスケジュールで縛り付けられ、とても苦しい思いをしていると伝えた。
朝6時に起こされ、朝の体操、労働新聞を読む時間、最高尊厳(金正恩氏)の人民愛を学ぶ思想学習の時間などが夜の9時まで続くという。また、平壌の別の情報筋によると、革命史跡地や烈士陵などに頻繁に連れて行かれ、自由時間は全くないという。
「まるで平壌監獄にいるようだ」(ある被災者)