映画はまた、高ヨンヒに捧げる感謝の歌をBGMに流し、2010年労働党創立65周年記念軍事パレードの会場に、金正日と金正恩が同時に登場する場面を最後に映し出している。高ヨンヒを通して金正恩を偶像化させようという目的が読み取れる。
北朝鮮はその間、高ヨンヒが在日朝鮮人出身であるため、本格的な偶像化に消極的だった。が、今回高ヨンヒに関する記録映画制作と公開に踏み切ったということは、今後彼女に対する偶像化はさらに活発になるものと思われる。統一研究院のチョン・ヒョンジュン専任研究委員は「金正恩体制が発足した以上、何かしらの制約はあるものの偶像化のスピードは速まるしかない」と話した。
しかし映画では高ヨンヒという本名は一度も登場しない。その代わり「朝鮮の母」「偉大なる母」という賞賛用語を使用している。当分は高ヨンヒの実名や経歴が公開されないことを示唆している。