金正恩政権も、禁煙番組を制作しテレビで放映している。しかし、広報はあくまでも広報で、現実とはかなり違う。軍部隊の現地指導の際にはテーブルに灰皿を置いていることを考えると、金正恩氏も愛煙家であると思われる。
北朝鮮では、幹部たちに会うときにタバコを手渡すことが一種の「挨拶」で習慣となっている。党、人民委員会幹部、保安員、保衛員、検察イルクンを訪ねる際には、老若男女問わずタバコを手土産にするのが習慣だ。
男性同士タバコを勧めあうことも習慣だ。労働者、農民はタバコを紙で巻いて吸うことが一般的だ。安くて吸いごたえがあるからだ。タバコの需要が多いため、個人耕作地、協同農場問わず現金収入となるタバコ栽培が盛んだ。
また、外貨稼ぎ企業のタバコ工場が多く、正規、偽造両方のタバコの製造、輸出を行っている。代表的な工場として、大成(テソン)、龍城(リョンソン)、平壌、リョンボン、会寧(フェリョン)、清津(チョンジン)などがある。
また、平安南道(ピョンアンナムド)の大同(テドン)郡には、個人経営の偽タバコ工場が多数存在する。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面タバコ工場支配人とグルになったブローカーが、工場から横流しした原料で作られたタバコも多い。市場では、商人と客の間で「これは偽物だ」「いや本物だ」とトラブルになることも多いという。