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中国吉林省延辺朝鮮族自治州琿春市の辺防隊(国境警備隊)が、北朝鮮との国境を流れる豆満江の警備を強化した。その理由を、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋は、辺防隊が最近、小型の高速艇を使って豆満江をパトロールしていると伝えた。

「辺防隊員3〜4人が乗った小型高速パトロール艇が随時豆満江をパトロールしている。特に夜間のパトロールが強化され、辺防隊は、人が隠れるような川沿いの物陰や、樹林帯などをサーチライトで照らしている」

パトロールが強化されたのは今年5月中旬ごろからだ。これは、5月10日に北朝鮮の咸鏡北道の慶興(キョンフン)郡松鶴里(ソンハンリ)から、北朝鮮男性3人が、覚せい剤よりさらに強いとされる正体不明の薬物数キロを密輸しようとしていたところを辺防隊に逮捕された事件と関係があるという。

この話が広がるや、慶興郡安全部(警察署)は「逮捕は事実でない、嘘の噂を流すな。他人に話すな」と取り締まっている。

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しかし、既に地域のほとんどの人が知ることととなったと、別の情報筋は述べている。それも安全員(警察官)やその家族から聞いたというのだ。3人が逮捕されたのは中国の辺防隊であるため、安全員ら当局者を経由しない限り、いくら国境地帯に住んでいても一般住民の耳には入り得ないことだ。

(参考記事:「安倍元首相が撃たれた」秘密を噂した北朝鮮女性を逮捕

コロナ禍ですっかり姿を潜めていた薬物の密輸が再び顕在化したことに当局は当惑しており、その出どころについて集中的な調査を行っている。

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住民の間では、「麻薬は7月7日連合企業所で作られたもの」という噂が広がっている。地域を代表する化学工場である7月7日連合企業所の前身は、日本窒素(後のチッソ、現JNC)が褐炭を原料として、人造石油とメタノールを作っていた工場で、朝鮮戦争後に復旧された。1990年にはアンモニア6.5トン、重炭酸アンモニウムと窒素肥料それぞれ20万トンを生産し、従業員は6000人に達していた。今では設備の老朽化などで生産は半分に減っている。

今のところ、ここで薬物の生産が確認されたことはないが、数トンという大量の薬物を民間人が密輸するのは難しいこと、かつて覚せい剤が生産されていた清津(チョンジン)や咸興(ハムン)から比較的近いことから、全く根拠のない噂ではないようだ。

(参考記事:ラリった10代が軍人を襲撃…北朝鮮「麻薬汚染」でモラル崩壊