現在、内閣収買糧政省が最高指導者用の食糧と国家非常米、朝鮮人民軍後方総局が軍糧米、軍の大隊以上の部隊が独自に1カ月分の備蓄、朝鮮労働党民防部が2号米(戦時予備食糧)、内閣農業省が各協同農場に4号米(戦時食糧)など、食糧備蓄が分散して行われている。
また、「やってる感」を出すための場当たり的な食糧政策も、不足に拍車をかける。
2020年から軍需工場の稼働率を高め、豚の飼育頭数を増やし、各地に養鶏場、乳牛や山羊の牧場を建設し、医薬品の生産も増やした。これにより工業用、畜産業、医薬品生産用の食糧の需要も急増した。
(参考記事:金正恩氏が称賛した養鶏場、専門家は「鶏の栄養が悪そう」と酷評)それらに加えて、新たに6カ月分の食糧備蓄が命じられたため、国民に供給する食糧がなくなってしまったとこの幹部は説明した。
「豚、牛、 鶏、山羊に与える餌はあっても、一般住民の食べ物がないのが、こんにちのわが国の現実だ」