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厚生労働省の集計によると、2023年に報告された食中毒の件数は1021件に達する。夏に多いというイメージとは異なり、一年を通して発生している。最多は3月の125件、最少はなんと8月の65件だ。春から初夏、秋に発生が多く、12月は78件、1月は75件と、冬だからと決して少ないわけではない。

ちなみに、カンピロバクターと生魚にいるアニサキスによる食中毒が非常に多いのが日本の特徴と言えよう。

極寒の北朝鮮でも食中毒が絶えない。2月は旧正月(10日)、光明星節(16日、故金正日総書記の生誕記念日)でごちそうを食べる機会が多いことと、両日が1週間空いていることが関係していると、両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋は見ている。

旧正月用に作ったごちそうを残しておいて、光明星節に食べる人が少なくなかったのだが、電力事情が劣悪であるため、室内で保存する場合、傷んでしまうことが多い。

「旧正月に作った餃子、チヂミ、餅などを光明星節まで取っておいて、少しずつ食べた。味が変化してももったいないからとそのまま食べた。そのせいで老若男女問わず食中毒になった。電気が供給されないので冷蔵、冷凍保存できないから傷んでしまった」(情報筋)

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餅や料理を製造、販売している業者は、その日の需要を見極めて売り切れそうな分だけを製造し、材料の残りは冷凍庫のある家に手間賃を払って保管してもらうのだが、電力事情の悪さのせいで止まってしまっていたようだ。ディーゼル発電機を使って冷凍庫を動かしているところはさほど多くないとのことだ。

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この地域の2月の最高気温はずっと氷点下で、真冬日が続いた。ペットボトル入りの飲料などは、外に置いておくだけでキンキンに冷え、食べ物も外に置くほうが冷蔵庫で保存するより合理的なのだが、そこで細菌に汚染されてしまう場合もある。また、調理場や食器の衛生管理にも問題がある。さらには、食糧難の中で、賞味期限の切れた食品を販売する事例も少なくない。

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食中毒の発生件数はわからないものの、下痢止め、抗生剤、点滴液の価格が1.5倍に上がったことから、需要が増えものと情報筋は見ている。国はそもそも、食中毒を重要な問題と見ていないため、統計がないようだ。また、食中毒の症状が出て病院に行っても何もしてもらえないため、市場で点滴薬を買い、自分でやることが多い。

経済状況が上向きになれば、自然と状況は改善するだろうと情報筋は見ているが、今は衛生管理に気を使えるほどの余裕はほとんどの人にないのだ。

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