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北朝鮮当局は近年、糧穀販売所と呼ばれる国営米屋を新設・再整備し、ここを通じてのみコメなどの穀物の販売ができるようにしている。市場に奪われてしまった穀物流通の主導権を奪い返し、価格を安定させると同時に、国民個々人の生殺与奪を握るためのものと思われる。

ひとことで言うと、金日成時代のように「言うことを聞かないならコメはやらない」と言える立場を取り戻そうとするものだ。しかし、これがどうもうまく行っていない。今年6月には大規模な不正も発覚し、担当幹部が処刑された可能性が伝えられている。

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咸鏡南道(ハムギョンナムド)のデイリーNK内部情報筋によると、北朝鮮第2の都市・咸興(ハムン)では最近、業者がコメを大量に買い占めて、売り惜しむ現象が起きている。

北朝鮮の米価は、収穫後から年末まで下落し、そこから上昇に転じて、麦の取れる初夏までは高値を維持するというサイクルになっている。先月中旬、咸興におけるコメ1キロの価格は5000北朝鮮ウォン(約85円)台だったが、10日までは4700北朝鮮ウォン(約80円)まで下がっていた。ところが、それ以降は通常の流れとは異なり、再び5000北朝鮮ウォン台に戻ってしまった。

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これは業者の買い占めによるものだが、今後の価格上昇を見込んでのものだという。もともと、年末年始には米価が多少上昇することがあったが、今年はそれよりも早く上昇が始まり、市民の間で不安が高まっていると、情報筋は伝えている。

咸興市安全部(警察署)は、コメの買い占めに対して厳しく取り締まる方針を示したものの、現場レベルでは全く徹底されていない。安全員(警察官)は、卸売商がコメを大量に運搬している現場を発見しても、ワイロを受け取って見て見ぬふりをするのだという。

「経済難と食糧難で取締官の不正腐敗がより一層深刻になっている。卸売商など大金を動かす大手の業者は、安全員にカネさえ渡しておけば問題ないと考えている」(情報筋)

(参考記事:拝金主義で骨抜きにされていく「金正恩の米屋」計画

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北朝鮮の抑圧体制を末端で支える安全員に対しては、1990年代の大飢饉「苦難の行軍」のころですら、配給が途絶えることはなかった。ところが、今では遅配や欠配が相次ぎ、国民からワイロを取り立てなければ生活が成り立たないのだ。

(参考記事:金正恩の「親衛隊」も食うや食わず…北朝鮮の末期症状

相場操縦で儲けられる業者はいいとして、そのとばっちりを受ける一般庶民にはたまったものではない。

「少し経済的に余裕がある人はワイロで解決できるが、貧しい人にそんなことは無理だ。(コメ)価格が上がり始め、食べ物を買うのも難しくなりつつある」(情報筋)