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北朝鮮国営の朝鮮中央通信によると、金正恩総書記は27日と28日に、国家航空宇宙技術総局平壌総合管制所から、偵察衛星が撮影した米ホワイトハウスや米英の空母5隻の写真について報告を受けたという。いざとなれば、こうした対象を核ミサイルで狙うという「脅し」である。

北朝鮮は今後もこのようにして揺さぶりをかけてくるだろうが、金正恩氏の足下では「核兵器だけあっても仕方ない」という不満の声が漏れている。

金正恩氏は8月28日の海軍節に際し、2012年の執権以来、初めて海軍司令部を訪問し、祝賀演説を行った。

演説では「現情勢は、わが海軍が戦争準備の完成に総力をあげて常時臨戦態勢を維持し、有事に敵の戦争意志を破綻させて最高司令部の軍事戦略を貫徹できるように準備されることを要している」とし、「今後、わが海軍は戦略的任務を遂行する国家核抑止力の構成部分になる」と強調した。海軍力を増強し、戦術核を実戦配備することを示唆したわけだ。

だが、デイリーNKの内部情報筋によると、これに対して海軍関係者からは様々な「ホンネ」が漏れているという。

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「ある指揮官は『新型兵器と船があっても燃料がないのに、どうやって戦争準備を整えるのか。船や装備の性能を上げても燃料がなければ無用の長物、くず鉄に過ぎない』と言っていた」

(参考記事:北朝鮮「骨と皮だけの女性兵士」が走った禁断の行為

北朝鮮の軍は海軍のみならず、深刻な供給不足に喘いでいる。それでも陸軍は歩兵を動かすことができるだろうが、海軍や空軍は出撃さえままならない。

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他の関係者も、「今、海軍全体が保有している燃料は戦争が起きれば1日か2日しかもたない量だ」と明かしたという。

また、「政治学習では、戦闘では自爆してでも勝利するまで帰ってくるなと繰り返し言われるが、燃料がないのだから帰りようがないではないか」と自嘲気味に語る幹部もいたとのことだ。

海軍は燃料不足が深刻で、戦闘どころか訓練すら難しいというのが内部の全般的な評価であり、ほとんどの指揮官は戦力増強より、燃料確保が喫緊の課題だと捉えられているようだ。