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北朝鮮は、ウクライナへの侵攻を続けるロシアに対して、武器や軍需品を供給していると伝えられている。それらの生産を担っているのは、北朝鮮国防省傘下の軍需工場だ。

デイリーNKの北朝鮮内部情報筋によると、黄海南道(ファンヘナムド)の海州(ヘジュ)、黄海北道(ファンヘブクト)の沙里院(サリウォン)、平安北道(ピョンアンブクト)の新義州(シニジュ)にある軍需品工場では現在、ロシアに輸出する冬用の軍服、靴、ベルトを生産している。

これらの工場は国防省の補給担当部署の後方総局傘下にあり、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の兵士が冬季訓練のときに使用する防寒服、防寒テント、毛布などと共に、ロシア向けの軍需品を生産している。輸出品の発注受け付け、生産、輸送などすべての過程を国防省が取り仕切り、民生品を生産する工場はいっさい関わらせていない。

ロシア輸出用の軍服類はサイズが明らかに大きく、繊維の素材やデザインが異なるため、内需用とすぐに見分けがつくとのことだ。

一方、北朝鮮の軍需用資材の輸入動向に詳しい情報筋は、北朝鮮がロシアに輸出する軍需品の原材料は中国から輸入されていると伝えた。

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別の情報筋によると、国防省傘下の複数の貿易会社は、冬用の靴下、布団、毛布などに使う生地や綿を今年9月中旬ごろ、中国から大量に輸入し始めた。また、完成品も輸入している。

これらの貿易会社は、朝鮮人民軍の冬季訓練のときに兵士に供給する軍服と防寒具の材料を毎年9月から10月にかけて中国から輸入するが、今年はその量が明らかに多く、対ロシア輸出用の軍需品を生産するのではないかとの見方が示されていた。

生産された軍需品は、幌付きの軍用トラックに積まれ、武装した警備兵も同行の上、ロシアとの国境に面した羅先(ラソン)まで運ばれる。そこで、船や列車に積み替えられロシアに輸出されるとのことだ。生産から輸送まで、セキュリティに相当神経を尖らせている様子がうかがえる。

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北朝鮮はロシア以外にも、イラン、シリア、エジプト、カタールに兵器を輸出したと別のデイリーNK情報筋が伝えている。また、パレスチナのガザ地区を支配するハマスに兵器を輸出していると伝えられている。

(参考記事:ハマスに武器、中東戦争にも派兵…金正恩の「悪ノリ」を警戒