北朝鮮国営の朝鮮中央通信は17日、米議会の戦略態勢委員会が発表した報告書を非難する個人名の論評を配信した。
超党派で設置された戦略態勢委員会は12日、米国は核保有国のロシアと中国との同時戦争に備える必要があるとする報告書を発表。核戦力の現代化と通常戦力の増強を進め、アジア太平洋地域に核兵器を配備すべきだと提言した。
これに対し、「米国の核覇権追求は世界の平和を破壊する戦略的不安定の根源である」と題された北朝鮮外務省軍縮・平和研究所の研究者キム・グァンミョン氏による論評は、「世界最大の核保有国、世界初の核使用国であり、他国への核先制攻撃を国策に定めた米国が誰それの『核脅威』をうんぬんすることこそ、黒白を転倒する詭弁であり、盗人猛々しい行為の極みである」と非難した。
また、「米国がいわゆる『北朝鮮核脅威』にかこつけて推進する本土ミサイル防衛システム構築策動は事実上、わが国家を狙った核先制攻撃をより容易にするための徹頭徹尾、攻撃的な核戦力強化策動の一環である」とし、「米国が北東アジアをはじめとするホットスポットに核戦略資産を随時送り込み、目下の同盟国の手に先端軍事装備を持たせて情勢を意図的に緊張させている」と反発した。
さらに、「現実は、最も侵略的な核戦犯勢力である米帝と立ち向かっているわが国家をして、核戦争抑止のための自衛的国防力を質量共に、飛躍的に強化することを差し迫って要求している」と主張した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面そのうえで、「われわれは、敵対勢力の任意の核戦争挑発企図にも圧倒的かつ決定的な対応戦略で対処していくであろうし、地域と世界の平和と安全を頼もしく守るための責任ある核保有国としての使命を全うするであろう」と強調した。