同通信の報道全文は次のとおり。
米国の核覇権追求は世界の平和を破壊する戦略的不安定の根源である
【平壌10月17日発朝鮮中央通信】朝鮮民主主義人民共和国外務省軍縮・平和研究所の研究者キム・グァンミョン氏が17日に発表した文「米国の核覇権追求は世界の平和を破壊する戦略的不安定の根源である」の全文は、次の通り。米国の覇権主義策動と干渉によって、欧州と中東をはじめ世界の至る所で平和と安定が重大に破壊されている中、米国の政界から核優位をもって世界を制覇すべきだという主張がまたもや響き出て国際社会の大きな不安と懸念をかきたてている。
先日、米議会の戦略態勢委員会は、反米・自主的な国々の自衛的国防力強化を「脅威」に罵倒して米国の本土ミサイル防衛システムの完備と核戦力近代化の加速化でそれに対処しなければならないという極めて冒険的な内容の報告書を発表した。
世界最大の核保有国、世界初の核使用国であり、他国への核先制攻撃を国策に定めた米国が誰それの「核脅威」をうんぬんすることこそ、黒白を転倒する詭弁(きべん)であり、盗人猛々しい行為の極みである。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面米国が防御的性格を浮き彫りにしようとあがいているが、本土ミサイル防衛システムが本質上、侵略的な核戦争遂行のための手段であることは世界が公認している。
冷戦時代、米国は旧ソ連の核脅威に対処するという美名の下、「スター・ウォーズ」計画と呼ばれる「戦略防衛構想」を打ち出したし、冷戦終息後はソ米間に締結された迎撃ミサイル制限条約が自分らの核戦力増強に邪魔になるという判断の下、2001年に一方的に脱退した。
米国が絶え間ない迎撃ミサイルシステムの更新を通じて追求する下心は、明白である。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面槍を意のままに安全に使えるように、盾をもっと頑丈につくるということである。
そのような意味から見ると、米国がいわゆる「北朝鮮核脅威」にかこつけて推進する本土ミサイル防衛システム構築策動は事実上、わが国家を狙った核先制攻撃をより容易にするための徹頭徹尾、攻撃的な核戦力強化策動の一環である。
攻撃と防御との戦略的バランスの破壊は、衝突を生じさせる。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面こんにち、他国を核で恐喝して地政学的覇権戦略を実現するための米国の槍は、ますますより鋭く研がれてその陰険な実体をさらけ出している。
「核先制不使用の原則」を放棄した米国は、戦略および戦術核弾頭と核爆弾の生産に必要な核物質の備蓄量を幾何級数的に増やそうとしており、それを搭載する3大核攻撃手段の近代化に狂奔している。
2017年1月、米国防総省は次世代潜水艦であるコロンビア級戦略原子力潜水艦の開発を承認し、2027年からオハイオ級戦略原子力潜水艦を全部コロンビア級戦略原子力潜水艦に取り替えるための事業を進めており、昨年12月には6世代ステルス核戦略爆撃機B21レイダーを初公開した。
それだけでなく、米国は2029年からミニットマン3を新型大陸間弾道ミサイルLGM35Aセンチーナルと取り替えることを計画し、去る3月LGM35Aセンチーナル用の第1段階固体燃料エンジンの一回目の地上試験が行われた事実を公開した。
また、米国は宇宙軍事化策動に必死に執着しており、レーザー技術を利用した最新型兵器の開発にも天文学的金額の資金を蕩尽している。
去る4月、米国が地球低軌道で極超音速ミサイルを含む先端ミサイルに対する追跡能力を強化する目的の下、10機の軍事衛星を軌道に進入させたのに続き、8月、米国防総省ミサイル防衛局の関係者が敵国のミサイルを迎撃するための指向性エネルギー兵器の研究がついに実を結ぶことになったと言った事実がこれを実証している。
より重大なのは、米国が北東アジアをはじめとするホットスポットに核戦略資産を随時送り込み、目下の同盟国の手に先端軍事装備を持たせて情勢を意図的に緊張させていることである。
諸般の状況は、誰が誰を核で脅かしており、誰が誰から脅威を受けているかを雄弁に物語っている。
自主と自衛のための国防力強化は、絶対に侵略的な核戦力増強の口実になりえない。
核列強を狙った米国の軍備増強策動は必ず当然な対応を呼ぶことになっており、それによって世界は新たな核軍備競争の時代、「新冷戦」の渦巻きに一層深く陥っている。
現実は、最も侵略的な核戦犯勢力である米帝と立ち向かっているわが国家をして、核戦争抑止のための自衛的国防力を質量共に、飛躍的に強化することを差し迫って要求している。
国際社会は、世界の平和と安定の根幹を崩している米国の無謀な核軍備増強策動に警戒を強めなければならず、絶対に袖手傍観してはならない。
われわれは、敵対勢力の任意の核戦争挑発企図にも圧倒的かつ決定的な対応戦略で対処していくであろうし、地域と世界の平和と安全を頼もしく守るための責任ある核保有国としての使命を全うするであろう。---