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北朝鮮国内に100カ所が存在する休養所(リゾート宿泊施設)。小規模なものから、19階建ての葛麻(カルマ)休養所まで様々なものがある。北朝鮮の憲法は第71条で、「公民は休息の権利を持つ」として、国の費用で利用できると定めている。

5月中旬から10月までは労働者が、12月から2月までは農民が利用するようになっている。ただ、誰でも彼でも利用できるわけではなく、職場などで「革新者」に選ばれた人や、健康に害のある鉱山などで働く労働者が15日ほど利用できるようになっている。

北朝鮮政府は、コロナ対策で3年以上閉業状態だった休養所を再開させ、利用を呼びかけたが、労働者の反応はかんばしくない。一体どういうことなのか。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

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咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋は、自らが務める工場に数日前、休養券が送られてきたと伝えた。ただ、誰も行こうとしないため、幹部が頭を抱えている。

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当局は、深刻な経済難の中でも、体制のプロパガンダ、労働者の意欲向上のために休養所を運営し、客を受け入れているが、憲法の条文とは異なり有料だ。

情報筋によると、現金10万北朝鮮ウォン(約1700円)、コメ5キロ、乾き物、コチュジャンなどを持参するように推奨している。「推奨」とは言うものの、実際にこれらを準備できなければ、施設の利用はできない。工場で革新者に選ばれたとしても、現金がなければ門前払いされるのだ。

ただ、誰も行かないとなると、幹部の責任が問われてしまう。そこで、経済的に余裕がある人に、8.3労働者の1ヶ月分の課題を免除する条件で、休養所に行ってもらうことになった。これは、商売を行う時間を確保するために、一定の金額を払って出勤扱いにしてもらう制度のことだ。ちなみに金額は工場によって異なるが、4万北朝鮮ウォン(約680円)から10万北朝鮮ウォン(約1700円)ほどになる。

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両江道(リャンガンド)の情報筋によると、白岩(ペガム)郡林産作業所に、咸鏡南道(ハムギョンナムド)の利原(リウォン)にある松端(ソンダン)休養所への休養券が送られてきて、そこに務める友人が参加することにした。

内陸に住んでいて、普段中々見れない海が見たかったというのがその理由だ。ところが、帰ってきた彼曰く「現金、コメ、コチュジャン、ヤンニョムを持っていかなかければ大変なことになるところだった」。

というのも、保養所で出される食事はトウモロコシ飯と、油の全く入っていない味気ないおかずだけ。コチュジャンやヤンニョムを持っていなければ耐えられなかっただろうという。

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さらに、せっかく海辺に行ったのに、朝鮮労働党中央委員会第8期第8回総会の議題に関する学習、革命史跡地を巡る思想教育ツアーに参加させられ、海に行く時間が与えられなかったため、嫌になって15日の予定を繰り上げて、9日で帰ってきてしまったそうだ。

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「昔の休養所は良かった」と親世代の人は話すが、今は経済的負担も大きい割には、施設や料理も貧弱で、思想教育ばかり受けさせられるので、誰も行かないのは当たり前だと情報筋は評価した。

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