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麦やジャガイモの収穫が始まったものの、依然として解決しない北朝鮮の深刻な食糧難。収穫したものが市場に出回り始めたものの、市場に対する統制を強めたため、現金収入が得られなくなった人が多く、とても手が出ないのだ。

中でも、トゥエギバッ(庭や山の中に作った畑)を持てない都市部の住民の食糧事情は深刻だ。彼らは、穀物を得るために周辺の農村に押し寄せている。江原道(カンウォンド)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

(参考記事:「状況認識ができない」金正恩の“退化”で国内危機が深刻

今月10日ごろから、都市部の住民が車に乗って農村にやって来るようになった。首都・平壌や郊外の平城(ピョンソン)、第2の都市の咸興(ハムン)から来た彼らは、麦やジャガイモを袋ごと手当たり次第に車に積み込む。

商人もいれば、工場や企業所の関係者もいる。現金収入が得られないため市場価格で穀物を買えずにいる労働者に、少しでも安く提供するためだ。イナゴの大群のように押し寄せる彼らの様子を見て、現地の住民も恐怖を感じ、手当たり次第に穀物を買い占めるなパニック状態となっている。

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この事態を受けて江原道当局は、10号哨所(検問所)と農村への入口に臨時に設置した哨所で外部からの怪しい車両をブロックしようとしているが、いずれも現地の知人などを通じてワイロを渡すなど事前準備をしているため、問題なく通れてしまうという。

農民たちは、農場内にも苦しい生活を強いられている人が多く、「国に納めなければならない穀物の量も決められているのに、都市部から人々がやってきて農村をかき回している」と悲鳴を上げている。

北朝鮮は、ゼロコロナ政策をきっかけにして、穀物流通のあり方を「正常化」しようとしている。農場で取れたものは国に納めさせ、それを配給システムで各地に分配し、農民にも見返りを渡すという1980年代以前の方式だ。人々の生活を安定させると同時に、不平不満を述べる者に対しては配給を制限するなど兵糧攻めにすることで、大人しく国に従わせようとの企みだ。

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しかし農民の立場からすると、国の買取価格が安いため、納める量が増えれば増えるほど損をする。そのため、市場の商人により国定価格より高く買ってもらうために、収穫物を隠匿するのだ。国はそれを見つけ出して強制的に供出させようとするが、そうはさせまいと農民はあるとあらゆる手で抵抗する。

国がようやく確保したものも、輸送の過程で次々に横流しされ、市場に流れ込む。かくして消費者は、穀物を市場で買うしかなくなるのだ。一方で国は、市場の機能を抑制しようと締め付けを強めているため、商人=消費者は現金収入が得られなくなり、飢餓状態に陥る。

金正恩総書記は、機能不全に陥って久しい30年以上前の古いシステムに回帰するという「妄想」を早急に捨てて、人々が自由に経済活動ができるようにすべきだろう。2010年代には、市場への統制をあまりしなかったことで、それなりの支持を得ていたのだから。

(参考記事:金持ちと転売ヤー御用達に転落した「金正恩の米屋」

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