「まっ先に処刑しろ」金正恩が隠し持つ”殺すリスト”

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北朝鮮は、全国の教化所(刑務所)に当分の間、面会を一切禁じる方針を下した。

平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋は、当局が、太陽節(4月15日の故金日成主席の生誕記念日)など重要な政治行事が集中している3月中旬から5月中旬まで「複雑な情勢が続く」として、全国の教化所において受刑者と家族の面会を一切禁じるとの方針を下したと伝えた。

北朝鮮は、3月の米韓合同軍事演習「フリーダムシールド」などを深刻な脅威と受け止め、若者に軍入隊の「嘆願書」を書かせるキャンペーンなどを繰り広げ、国内の緊張状態を煽った。面会禁止はこの一環だというのが情報筋の説明だ。

「敵どもの戦争騒動に組織的に軍隊嘆願書を書かせる一方で、教化所には混沌とした情勢の中で、規律を強化せよとの指示を下した」

(参考記事:北朝鮮「140万人の若者が軍入隊」の悲惨な舞台裏

中でも、道内の价川(ケチョン)教化所には違法録画物(韓流など外国の映像コンテンツ)の視聴と流布、違法な外国携帯電話の使用、違法送金、脱北などで逮捕された受刑者が多く、当局は彼らを反政府的で反抗的な性向を持っているとみなし、特別に監視している。

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当局は、彼らが有事の際に反旗を翻す可能性が高いと考え、「まっ先に処理」――つまり処刑する対象に分類しているが、そんな彼らを家族と面会させるのは危険だと判断したようだ。

朝鮮人民軍(北朝鮮軍)は朝鮮戦争のとき、ソウル大学病院に入院していた韓国軍の負傷兵やその家族、大田(テジョン)や全州(チョンジュ)刑務所の受刑者を虐殺した。韓国軍も同様に虐殺を行ったが、その後国の責任を認め、補償や真相究明を行っている。一方で北朝鮮は、70年前と考え方が全く変わっていないようだ。

(参考記事:北朝鮮、韓国軍捕虜と家族ら200人を「生き埋め」抹殺

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教化所での面会は禁止されたが、品物の差し入れは認められている。もちろん徹底的なチェックを行い、反抗的な行動、言動を行った者には手渡さない措置が取られている。

教化所の給食は極めて貧弱で、それだけではつらい強制労働にはとても耐えられず、栄養失調などの病気で死んでしまう。家族は、様々な食物を差し入れし、看守にワイロを掴ませ、少しでも軽い労働をさせるように頼み込んで、収監された家族がなんとか生き存えるように努力する。面会が禁止されても、差し入れが禁止されなかったのは、不幸中の幸いと言えよう。

(参考記事:お客から恐喝して荒稼ぎする北朝鮮「恐怖のコンビニ」

价川教化所では、受刑者を5〜6人1組で教化所の外にある畑に派遣し、野菜やトウモロコシの栽培をさせているが、監視につく看守には実弾を込めた銃をもたせ、受刑者が少しでもおかしな行動を取ったり、逃走を図ろうとしたりすれば、無慈悲に射殺せよとの指示も下している。

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他の受刑者は、建物から出ることを許されず、ひたすら思想教育を受けさせられている。

一方、价川教化所は、太陽節の後、死亡者のリストを作成し、各道を通じて家族に通知した。すでに数年前に亡くなっていたことを今になって知った家族は、悲しみより呆れが先立ち、涙も出ない状況だと情報筋は伝えた。

(参考記事:闇に消える女囚…北朝鮮刑務所の「裏山」に隠された秘密