闇に消える女囚…北朝鮮刑務所の「裏山」に隠された秘密

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世界最悪の人権侵害国と呼ばれる北朝鮮。その北朝鮮の中でも、さらなる人権侵害が行われているのが、教化所(刑務所)などの拘禁施設だ。

受刑者は公民権が剥奪され、人間としてまともな扱いを受けられない。衛生・栄養状態が劣悪なことはもちろんのこと、暴言、暴力、性暴力が蔓延り、死亡したとしてもきちんと葬られることはない。咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋は、最近、咸興(ハムン)教化所で起きた死亡事件に触れ、教化所の人権の実態について伝えた。

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中国との国境に接する会寧(フェリョン)在住のある男性の妻は、2012年から女性を中国に売り飛ばす人身売買ブローカー業に携わっていた。だが、被害女性の1人が中国で不法在留者として逮捕され、北朝鮮に強制送還されたことで存在が露呈し、2015年9月、保衛部(秘密警察)に逮捕された。

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妻は8ヶ月にわたり取り調べを受けた末、2016年6月に10年の労働教化刑(懲役刑)の判決を受け、咸興教化所に収監された。会寧に住む夫は、しばしば面会に通っていた。教化所ではまともな食事が提供されないため、餓死せずに生き残るためには、家族の面会を通じて、食べ物を差し入れてもらうことが欠かせないのだ。

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コロナによる移動統制で、しばらく面会に行けなかったが、先月中旬になってようやく地域を超えた移動が認められ、速度戦粉(トウモロコシの粉)に砂糖を混ぜたものと下着を持って、咸興教化所に向かった。

だが、そこで彼が告げられたのは、妻が亡くなったという事実だった。

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夫は教化所側に、いつ亡くなったのか、死因は何か、遺体は返してもらえるのか尋ねたが、返ってきたのは「死んだと言ったら死んだんだ。なぜ根掘り葉掘り聞くのか、死んだことを教えてもらえただけでもありがたいと思え」という答え。何も教えてもらえず、遺体すら返してもらえないまま、帰らざるを得なかった。

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教化所内では、看守による暴力・虐待や各種の犯罪が横行している。

遺体は、教化所内で焼却処分され、遺骨は裏山などに廃棄されたものと思われる。

情報筋は、コロナ禍で一般住民も地獄を生きているというのに、罪を犯して監獄で暮らしている人はいかほどか、まともに食べるもの、着るものも与えられず、戒護員(看守)の監視の中で、死んでいく人が多いだろうと述べた。

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また、北朝鮮の監獄を「文字通りの地獄」とし、家族の経済状況がよければ、面会に頻繁に行って健康なのか見ることができるが、それができない人は、ただ死にゆくばかりだとも述べた。

もっとも、北朝鮮そのものが人の命を大切にしない国。受刑者でなく、公民権のある一般住民であっても、コロナやその疑いのある症状で死亡した場合は、家族の同意を得ないまま、遺体が火葬されてしまう。これが「人間中心」を掲げる北朝鮮の実態だ。

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