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国連安全保障理事会は2017年12月、すべての国連加盟国に北朝鮮労働者の新規雇用を禁じ、すでに派遣されていた労働者を2019年末までに送り返すことを義務付けた制裁決議2397号を採択した。しかし労働力不足に苦しむロシアは、その後も北朝鮮労働者を受け入れ続け、現在2万人がいると言われている。

また、シベリアのイルクーツクとクラスノヤルスクには北朝鮮資本の縫製工場があるとされるが、いずれも好業績を上げていると、現地のデイリーNK情報筋が伝えた。

これら工場の今年第1四半期の生産量は、昨年同期比で2倍となった。コロナ禍の下では仕事がなく、労働者を建設現場に派遣したり、軽作業の請負をしたりしてなんとか持ちこたえてきたが、コロナ関連の規制が撤廃されてからはロシア企業からの注文が急増しているのだ。

北朝鮮当局から課された国家計画(外貨上納ノルマ)を達成し、労働者にもきちんと月給が支払えるようになり、関係者は喜色満面だという。

イルクーツクにある代表的な北朝鮮の縫製工場の場合は70人、クラスノヤルスクの場合は100人の労働者が働いている。

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今回の好況は、対ウクライナ侵略で必要となる軍服の需要が高まったことによるものかと思いきや、建設現場の作業服やファストファッションなどの手頃な服の縫製の方がメインだという。ロシア企業は当初、北朝鮮の縫製工場に軍服を注文していた。北朝鮮労働者と言えば、誠実な働きぶりと丁寧な仕事で定評がある。

(参考記事:「ウクライナ行きは嫌だ」戦地派遣を恐れ北朝鮮労働者の離脱が相次ぐ

ところが、現在派遣されている労働者の腕は「今ひとつ」だという。情報筋の説明では、派遣された労働者の9割がコネとワイロを効かせて無理やり派遣リストに上がった人々であったため、縫製技術に長けている人材は1割に満たないとのことだ。

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ロシア企業は、単価は高いが繊細な縫製が求められる軍服は任せられないとして、ファストファッションの製品の一次加工を依頼するようになった。

不良品が多く出れば注文が減るかもしれないと懸念した北朝鮮当局は、労働者に対して夜間に縫製技術の研修を受けさせている。また、不良品を出した作業班には、再作業をしてでも、ロシア企業の要求に合わせようとして、ある労働者は1日4時間しか眠れないという。

(参考記事:外国人労働者と大乱闘も…米国が懸念する「奴隷労働」の実態