米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると4日(米時間)、米上院外交委員会東アジア太平洋小委員会で「民主主義と人権、法治に関する中国の挑戦」というテーマの聴聞会が開かれた。聴聞会に出席したローラ・ストーン国務省東アジア太平洋副次官補は、中国における北朝鮮労働者の雇用について「賃金をもらうことができず、いからなる自由もないため、中国は多くの北朝鮮労働者を受け入れている」とし、「米国は北朝鮮の労働者たちをslave labors(奴隷労働者)』とみなす」と述べた。

北朝鮮の派遣労働の現場として筆頭にあげられるのが北朝鮮レストラン、通称「北レス」だ。北朝鮮は、外貨稼ぎのために世界各地で北レスを展開しており、多くの若い女性たちが送り込まれている。

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その北レスだが、昨年は閉店が相次いだ。北朝鮮の核・ミサイル問題に対して国際社会が圧力を強め、それまでは消極的だった中国も制裁に同調したからだ。苦しい事情に追い込まれた北朝鮮は、新たに美人女子大生まで派遣するなどして糊口をしのいできた。

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米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、中国国内のサウナで北朝鮮女性らが働く姿が頻繁に目撃されているという。中国のサウナは、一部で様々な性的サービスが行われていることが広く知られている。北朝鮮女性たちがこうした性的サービスに従事させられていたとしても、決しておかしくはない。

現場では中国人が完全に仕切っているケースもあるが、派遣しているのはあくまでも北朝鮮当局だ。労働実態に対して「奴隷労働」「強制労働」という非難が集まるのも当然だろう。

ロシアでも多くの北朝鮮労働者が非常に劣悪な環境で知られている建設現場に派遣されている。なかには北朝鮮当局の関係者とうまく関係を築いて、つまりワイロを渡しながらそれなりに稼ぐ労働者もいるというが、大多数が当局の管理下で厳しい労働を強いられている。劣悪な環境で多大なストレスを募らせているのか、別の国の労働者らと乱闘騒ぎを起こしtたりもしてている。

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北朝鮮の6回目の核実験と相次ぐ弾道ミサイル発射実験に対して、国連安全保障理事会(安保理)では昨年10月に対北朝鮮制裁決議2375号が、12月には2397号が採択された。前者はすで派遣された北朝鮮人労働者の労働許可の更新をしないこと、2397号は2019年末までに北朝鮮の労働者をすべて帰国させるよう求めるなど、北朝鮮当局の派遣労働に対して厳しい見方を示した。しかしながら、制裁以降に海外に出た労働者の数は縮小したが、中国とロシアでは大幅には減っていないと見られている。

人権問題は、米朝関係だけでなく南北関係や日朝関係においても金正恩体制が抱えるアキレス腱である。国内の人権問題についてはシラを切れても、海外に派遣された北朝鮮労働者の過酷な実態までを誤魔化すことは不可能だ。いくら派手な演出の首脳会談で取り繕っても、北朝鮮の人権侵害に対して国際社会の追及が止むことはない。

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