金正日国防委員長の死から1週間。北朝鮮メディアが公開した弔問の様子には金正恩氏やキム・ヨジョン氏以外の兄弟が登場していない。葬儀委員名簿にも入ることができなかった。金日成氏・金正日氏・金正恩氏への権力継承の正統性を強調するために、枝葉の牽制を始めたと分析される。

金正日は最初の夫人・成恵琳(ソン・ヘリム)氏との間に金正男氏(40)、第2夫人の金英淑(キム・ヨンスク)氏とキム・ソルソン氏(36)とキム・チュンソン氏、第3夫人の高ヨンヒ氏とは金正哲(キム・ジョンチョル)氏(30)、金正恩(29)、キム・ヨジョン(24)など計6人の子供をもうけた。

金正日氏は1974年に権力を握った翌年には、義母の金聖愛氏を皮切りに異母兄弟の金平日氏、叔父の金英柱(キム・ヨンジュ)氏など、いわゆる「枝葉」を徹底的に排除した。最大の政敵だった金英柱氏を1975年の最高人民会議後に慈江道(チャガンド)の江界(カンゲ)に追い出し、権力の中心から完全に追放した。金平日氏は1988年から事実上の海外亡命生活を行なっている。

金正恩氏が体制定着に向け、異母兄弟の金正男氏、キム・ソルソン氏などを枝葉に指定し排除するとの見方が有力的。朝鮮中央TVが21日に公開した錦繍山記念宮殿の金正日の遺体安置場所には、金正日の妹・金慶喜(キム・ギョンヒ)氏、金正日氏の4番目の妻キム・オク氏、金正恩の妹と推定されるキム・ヨジョン氏らの女性だけが弔問客を迎えている。

特に、香港やマカオで政治的亡命生活をしている長男・金正男氏の平壌入りは、簡単ではないと思われる。香港メディアは20日、「金正男氏が住んでいるマカオの豪華マンションが長期間空いている。マカオを去ったようだ」と報道した後、金正男氏の行方は分かっていない。

金正男氏の帰国が後継者に急変を及ぼしたり、金正男氏本人が権力闘争に乗り出す可能性は高くない。金正男氏は東京新聞とのインタビューで「父の偉業を継承し、住民の生活を豊かにしてくれたら良い」と述べ、金正恩氏を後継者として認めている。しかし、金正恩にとっては長男の存在自体が潜在的な脅威である。

金正恩氏の実の兄弟は些か事情が違う。 21日に公開された葬儀で金正恩氏の後ろに立っていた女性がキム・ヨジョン氏と把握されている中、次男の金正哲氏は既に弔問を終えたという見方が提起されている。金正哲氏は分泌過多を患っている為に後継者レースから排除されており、金正恩氏が警戒する対象ではない。

一方、金正日氏と金英淑氏の間に生まれた長女のキム・ソルソン氏は金正日氏の個人秘書を務め、国家宣伝部門で重要な要職を過ごしている。次女は対外的にほとんど情報がない。

英国のデイリー・テレグラフ紙は、英王立国際問題研究所のアジア担当のブラウン主席を引用し、国家宣伝部門の要職にいるキム・ソルソン氏が重要な権力の変数として登場すると展望した。

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