2012年には北朝鮮の携帯電話使用人口が100万人を越えると予測されている。2008年12月から北朝鮮で3世代(3G)方式の携帯電話事業を行っているエジプトのオラスコムテレコムが発表した?2011年3分期実績報告書?によると、北朝鮮での携帯電話加入者は9月末までに80万9000人を越えた。今年度上半期(66万6517人)と比較すると、3ヶ月の間に13万4000人以上に増えている。この勢いが続く場合、今年度末までに携帯電話加入者数が90万人を越え、100万人に迫るであろうとオラスコムは見込んでいる。北朝鮮内部の経済状況と統制ムードを考慮すると、非常に早い成長であると言うことが出来る。
このような勢いに乗って、オラスコムは今年度3分期までに北朝鮮で1億ドル(1100億ウォン)以上を売り上げたことが明らかになった。オラスコムが北朝鮮の逓信省と提携して設立したコリョリンクの売上額も、昨年3分期の1千844万5000ドルから、今年度3分期の売り上げは4千149万1000ドルと125%成長した。9月末の時点で453個の基地局を通じて平壤と14つの主要都市、86個の小都市、22個の主要道路などで携帯電話の使用が可能であり、北朝鮮住民の92.9%が携帯電話ネットワークを利用することの出来る地域に居住していると、オラスコム側は主張している。
しかしながら北朝鮮の携帯電話加入者数は未だに世界最下位から2番目である。国際電気通信連合(ITU)が世界200ヵ国余りを対象に行った携帯電話サービス加入者数調査の統計によると、北朝鮮の携帯電話加入率は100人当たり1.77人以下であるという。このような数値はアフリカの貧困国の水準にも満たないが、最近の加入率増加の勢いを考えると、北朝鮮内の通信市場が成長する可能性は高いであろうとITUは見込んでいる。
北朝鮮体制の閉鎖性を考慮すると、最近の携帯電話加入者数増加の勢いは異例なことだと評価することができる。このような現象は、携帯電話使用可白n域の拡大、当局における幹部達への携帯電話使用奨励ムード、市場化に伴う商人達の需要増加、青少年達を対象としたゲーム配布などが背景として作用していると分析されている。オラスコムはこれ以外にも実績報告書を通じて、核心的なサービスの導入と新しい市場開発などを通じて、さらなる加入者数の増大を目標にしていると明かした。実際にオラスコムは昨年1月、マルチメディアメッセージサービス(MMS)を開始し、下半期にはテレビ電話サービスも導入したという。
北体制を威嚇せずに携帯電話事業を拡張
また、オラスコムが北朝鮮モバイルコミュニケーション市場を独占することが出来たのは、体制を威嚇しないよう注意を払いながら事業を行っているからだという分析も出ている。新興通信市場を研究してきたエンジェルドバルジエブ英オボムグローバル代表は、最近国内で行われたある討論会で?オラスコム社は北朝鮮政府が望む事を誠実に遵守・履行している。体制の危機を引き起こす可能性のある行為をしないということで、北朝鮮はオラスコムを選んだ?と述べ、?オラスコムは、市場に政治的な制約のあるチュニジア・エジプト・バングラデシュなどの政府に対して?保障?を提供しながらノウハウを蓄積した?と成功の背景を説明した。また、オラスコムの北朝鮮での収益性についても高く評価した。オラスコムの北朝鮮事業による収益性は非常に高い。新興市場の平均的な?エビタマージン(売上額対比税引前利益)?が30〜35%を記録しているが、北朝鮮はで64%程であると聞いている??これ程であれば新興市場の中でもかなり高い水準に該当する?と述べた。
最近北朝鮮を訪問しオラスコム関係者と面会したベルンハルトジェリガーハンスザイデル財団ソウル事務所の代浮