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父・金日成の権力を事実上奪い、自身の権力まで息子・金正恩に譲り渡した金正日は、独裁権力を維持するために無慈悲な人権侵害と反人論的な犯罪を躊躇なく繰り返した。

ルーマニアのニコラエ・チャウセスク、イラクのサダム・フセイン、リビアのカダフィなどの独裁者らが自国民らによって悲惨な最後を迎えたのとは異なり、金正日は心臓マヒという比較的安らかな理由で死亡したのは徹底した統制・抑圧政策の産物だともいえる。

金正日は執権期間中、全体主義的な独裁体制と唯一支配体制を維持するために北朝鮮住民らの犠牲を強要した。国家安全保衛部と人民保安部など公安機関の徹底的な監視・統制の中で、北朝鮮住民は自身の意志とは無関係に独裁権力の道具として生きた。金正日時代の北朝鮮社会全体は、文字通り巨大な監獄となった。

北朝鮮人権侵害の代名詞「政治犯収容所」

北朝鮮人権弾圧の象徴は特別独裁対象区域と称される政治犯収容所だ。収監者らは日常的な飢餓と過酷な暴力、そして耐えることのない公開処刑など反人間的な状況に置かれている。