「杭に縛られた美女が…」社会不安の北朝鮮で見た衝撃場面

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北朝鮮は犯罪に関する統計をいっさい公開していないため、同国内で実際にどれくらい犯罪が起きているのか、全体像をつかむのは非常に難しい。ただ、最近になって犯罪が多発しているとの情報が相次いで伝えられている。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

両江道(リャンガンド)の情報筋は、人口約19万人の恵山(ヘサン)市内では3月以降、複数件の殺人、強盗、窃盗が起きていると伝えた。「夜が明けるたびにどこそこで殺人事件が起きた、強盗が入ったなどの不安になる話が連日入ってくるほどの状況」だという。

一例を挙げると、20日午後5時ごろ、市内のヘソン洞の民家に男2人が押し入り、22歳と23歳、27歳の女性3人のうち、2人を刺殺した。もう1人の女性は、刃物を突きつけられカネを要求されたが、隙を見て逃げることに成功。男2人は、通報を受けて出動した警務員(憲兵)によって逮捕された。

逮捕したのは憲兵だが、容疑者は民間人だった。翌日、地域住民が集まる中で公開裁判が行われ、「国内情勢が軍事的に緊張している時期に強盗を行った」として、2人には「軍法で処断する」と言い渡された。2人が実際にどうなったかは不明だが、「処断」という言葉からおそらく銃殺刑に処されたのだろう。

なお、1990年代の襲った大飢饉「苦難の行軍」のころにも、犯罪が多発したが、故金正日総書記は、特別取り締まり班を派遣、犯行現場で即決で銃殺させるという荒っぽいやり方で犯罪を抑え込もうとした。

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韓国のニュースサイト・NK朝鮮の2001年3月23日付の記事で、脱北男性のキム・ウンチョルさん(証言時32=仮名)は、当時を振り返って次のように証言している。

「最も記憶に残るのは96年、新義州(シニジュ)の飛行場近くにある公開処刑場で行われた除隊軍人の男女5人の公開銃殺だった。女性2人は20代後半の美人だった。男たちと一緒に電線を切って中国に売り飛ばして逮捕された。若い女性が杭に縛られ、銃で撃たれて死ぬ姿を見るのはものすごく気分が悪かった。電線を切ったのは大きな罪ではあるが、あのように殺す必要があるのかと感じた」

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別の情報筋は、1丁の豆腐を作り、そのおからで生き延びている夫婦や、お粥すら食べられないほど飢えている人など、食糧難が極度に悪化し、恵山市内の至るところで残酷な犯罪が相次いでいると伝えた。

(参考記事:強盗を裁判抜きで銃殺する金正日流の治安対策

恵花洞(ヘファドン)では、自宅の軒先を店舗に改造して食料品を売っている家を、買い物客を装った男3人が襲った。犯人らは麺、コメ、キャンディ、菓子などを奪って逃げたという。

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捜査当局は、店主の男性が帰宅する前に、妻がひとりの時をねらって犯行が起きたことから、面識犯とみて捜査している。ただ、覆面をかぶっていたため、軍人なのか、民間人なのか、全く何もわからない状況のようだ。

(参考記事:狙われる女性商人…コロナ禍の北朝鮮で残虐犯罪が多発

一方、今年の旧正月の前日の2月9日、恵興洞(ヘフンドン)のマンションの1階の部屋に強盗が押し入り、部屋にいた女性が酒瓶で殴られ、昏睡状態が続いているという。

さらにこの情報筋は、少し離れた三水(サムス)郡に住む友人との通話で、現地で殺人、強盗、窃盗が相次いでいると伝え聞いたと伝えた。

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