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北朝鮮の携帯電話ユーザーは総人口(2500万人)の半分に満たないが、それでも増加傾向が続いている。そしてその陰では、通信を監視下に置こうとする当局とユーザーの間で熾烈な闘いが繰り広げられている。

若者たちは、韓流コンテンツを楽しむための端末として携帯電話を使っているが、当局はそれを防ぐために、監視ソフトや、韓流コンテンツ拡散の媒体となっているSDカードが挿入されると自動的にフォーマットしてしまうソフトを搭載させるなど、様々な対策を取っている。すると、今度はそれを無効化するソフトを、エリート大学生や研究者が作ってばらまく。

(参考記事:金正恩も歯が立たない、北朝鮮「裏スマホアプリ」の実態

当局は根本的な対策として、OS(オペレーティングシステム)のアップデートを昨年12月に予定していたが、未だに行われていない。

デイリーNK内部情報筋によると、OSのアップデート延期は国家保衛省(秘密警察)の内部会議で決められ、公式には一切の説明がない。情報筋の述べた理由は次のようなものだ。

「新しいOSが国家保衛省(秘密警察)通信局、電波探知局、内閣の情報通信局の国家監督記述水準に到達できなかったという評価がある」

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当局は、密かに出回る「韓流見放題ソフト」の存在を察知し、OSのアップデートで対抗しようとしたわけだが、技術的な問題で延期せざるを得なかったようだ。今年の上半期中のアップデートを目指して関係機関と作業を進めているという。

これについて一般ユーザーはほとんど関心を持っていない。

北朝鮮は現在、1990年代後半の大飢饉「苦難の行軍」以降で最悪の食糧危機を迎えていると言われており、一部では餓死者を出す事態となっている。人々は生き抜くのに精一杯で、OSのアップデートなどに関心を持つ余裕すらないのだ。

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「プロジェクトが進まないことに、人々の中で特に疑問は広がっていない」(情報筋)

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だが、中にはこんな人もいる。

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「事が進まず安心する人もいるし、どんな恐ろしいOSをインストールさせようとしているのか心配だという人もいる」(情報筋)

そういう人たちは、アップデートのできない古い型のスマホを好んで使っているとのことだ。

たとえどんな強力な監視ソフトが開発されても、またどこかでそれを無効化するソフトが開発されるだろう。しかし、北朝鮮にOSや韓流見放題ソフトを開発できる人材や環境が限られているであろうことを考えると、もしかしたらどちらも、同じエンジニアが作っている可能性すらある。

(参考記事:金正恩命令に静かに反抗する、北朝鮮の「ITエリート」たち