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男性は7〜8年、女性は5年と、世界で最も長いと言われている北朝鮮の兵役。最後まで務め上げた者には、朝鮮労働党への入党や大学進学への推薦など、様々なメリットが与えられる。

幹部へのパスポートと言える入党と進学は、中長期的にはメリットだろうが、今日明日の困難に打ち勝つには何の役にも立たない。9月に兵役を終えたばかりのチェさんもそうだった。平安北道(ピョンアンブクト)のデイリーNK内部情報筋が詳細を伝えた。

中国との国境に接する朔州(サクチュ)郡出身のチェさんは兵役を終え、新義州第二師範大学の推薦を受けて家に戻ったが、コチェビ(ストリート・チルドレン、ホームレス)同様の極貧生活を送っていた。

数年前までは安定した暮らしをしていたチェさん一家だったが、父親が昨年、胃がんにかかってから、家が傾き始めた。治療費を賄うために家を売り払ったものの、結局父親は今年6月中旬に死去。そのことを知らずに戻ってきたチェさんは、落ち着く暇もなく、練炭づくりや他人の家の下働きなどに追われた。

(参考記事:「医療は無償」という宣伝を信じ切っていた北朝鮮夫婦を襲った悲劇

父親も実家もなくし、親戚の家に居候し、毎日仕事に追われる暮らしに、チェさんはこうこぼしたという。

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「祖国のために青春をすべて捧げたのに、家に帰ってきたこんなことになって、生きる意味を感じられず虚しい」

軍服務中に朝鮮労働党に入っていたが、党員証を持っていたところでコメがもらえるわけでもなく、何の役にも立たなかった。そして絶望のあまり、チェさんは自ら命を絶った。

(参考記事:北朝鮮国民が鼻で笑う、朝鮮労働党「末端細胞」での力の逆転現象

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未来有望な若者が、貧しさに耐えかねて命を絶ったという話は急速に広まり、地域の空気は戦々恐々としている。若者は、軍に行こうとしないという。

「兵役につくことでわが国(北朝鮮軍)の軍人は、青春を捧げるという高い代償を払うが、コネのない家の息子に待っているのは結局苦しい生活だけ」(情報筋)

兵役満了、労働党入党、大学卒業が全く意味がないわけではない。しかし、そんな経歴よりカネとコネの方がよっぽど役に立つのが、北朝鮮の今なのだ。

(参考記事:北朝鮮で最悪の食糧難「ジャガイモの皮」が生命線

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