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北朝鮮が、紙幣の代わりとなる「トンピョ」(金券)を発行してから1年が経った。ただでさえ信用のない北朝鮮ウォンの正式な紙幣よりさらに信用がなく、闇両替商は受け取りを拒否したり、半額にしたりするなどしていた。

結局、街中ではほとんど見られなくなってしまったようだ。

(参考記事:信頼されない北朝鮮の「トンピョ」…額面の半分で取り引き

デイリーNKの内部情報筋は、首都・平壌を含めた大都市では、トンピョを使う人をほとんど見かけなくなったと伝えた。

当局は、個人が外貨商店や百貨店などで商品を購入する場合、正式な両替所で北朝鮮ウォンや外貨をトンピョに替えてから決済する措置を取り、流通を促していた。タンス預金となっている北朝鮮ウォンや外貨を国庫に吸収し、国家財政の裏付けをしっかりさせようとする意図があった。しかし、信頼度の低いトンピョにわざわざ両替する人は発行当初から少なかったようだ。

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当局は、試験的にトンピョを少量発行し、流通させたが発行量が元々少なく、受け取ってしまった人は手元に置いておかず、すぐに使ってしまうため、ほとんどが国庫に戻ってしまったというのが情報筋の説明だ。

別の情報筋は、このトンピョ発行が、現金確保にある程度の効果があったため、発行を継続する方針となったと伝えているが、計画が中止となったのかなど、詳細は不明だ。

(参考記事:評判の悪い北朝鮮の「トンピョ」、発行継続へ

一方で、当局が今年4月ごろから発行を始めた額面5万北朝鮮ウォン(約900円)のトンピョは依然として使われている。

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従業員が500人から1000人の4級企業所、あるいはそれ以下の地方の企業所を対象に発行されたこのトンピョだが、個人用のものとは発行目的が異なる。従来から使われていた「ヘンピョ」(事業用小切手)の乱用による資材の浪費や、横領などの不正行為を防ぐ目的がある。

国家計画委員会と朝鮮中央銀行は、額面とシリアルナンバーがあらかじめ記されたトンピョを綴りで発行し、必要な場合にちぎって使用する形で、トンピョの発行を拡大することを検討しているとのことだ。

担保の限度内で勝手に額が決められる従来のヘンピョは、国が流通量を把握できなかったが、トンピョならそれが可能というわけだ。

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一方、従業員が1000人を超え、国が管理する3級企業所やそれ以上の企業所では、従来のヘンピョが使われている。