壁にかけられている金日成主席、金正日総書記の肖像画を入れる額縁と表面のガラスを交換するとの名目で、保衛員1人あたり5000北朝鮮ウォン(約85円)、オフィスの改装費として2万北朝鮮ウォン(約340円)、朝鮮労働党創建日の今月10日に金正恩総書記への贈り物をするとして5万北朝鮮ウォンなど、様々な名目で現金を徴収している。
さらに、4月15日の太陽節(金日成氏の生誕記念日)など大きな政治行事に際しては、国境沿いの地域の人民班(町内会)や外貨稼ぎ事業所を担当する保衛員に、1人あたり平均5000元(約10万3000円)もの上納を強いている。
コロナ鎖国が解除され、以前のように密輸が再開されれば、見逃したり見張りをしたり、或いは直接関与したりして、それなりの収入が得られる。だが、今はそれもできず、今後もどうなるかわからない。
上層部もそんな事情を知らないわけがないが、タンス預金を吐き出させるために、過度な税金外の負担を課しているのだ。
かつての大飢饉「苦難の行軍」のころにも途絶えなかったという彼らに対する配給だが、今では欠配、遅配が相次ぎ、量も減らされている。かつては確実に食べていける「儲かる職業」だった保衛員と安全員も、今は日々の糧を得るので精一杯なのだ。
(参考記事:「本当に情けない」金正恩の拷問部隊、食うや食わずで“最後の手段”)