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取り調べで彼は「人民のための党イルクン(幹部)とは口だけ。飢えて死にゆく人民には目もくれず、すぐにでも死にそうだと訴えても衝撃も受けなければ、解決しようとする態度すら見せない里党書記が、母なる党のイルクンなのか」と、激しく訴えたという。

この事件は郡党に報告され、里党書記は呼び出されて調査を受けている。また、Aの暮らし向きについても調査を行った。子どもたちはガリガリに痩せており、農作業をしている農民が飢えているとはとんでもないと批判の声が上がっている。

残されたAの家族は、一家の大黒柱が安全部に連れて行かれ、誰が家族を飢えから救うのかと郡党に訴えている。Aに対する処罰は、軽いもので済まされると見られている。

一方、里党書記に対しては、生活苦を訴える住民を放置した罪で、重い処分が下されると見られている。

なお、朝鮮労働党の末端組織の書記と言えば、党生活(党員としての務め)に追われ、一般住民よりも貧しく、バカにされるほどなのだが、この里党書記は、贅沢な食事をしていることから、何らかの不正行為に関わっていたか、党員には禁じられた経済活動を行っていた可能性が考えられる。

(参考記事:北朝鮮国民が鼻で笑う、朝鮮労働党「末端細胞」での力の逆転現象