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北朝鮮は、全国のすべての車両に付けられたナンバープレートを一斉に交換する作業を行っている。担当機関はそれをネタに、車両オーナーにワイロを要求しており、不満が高まっている。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

両江道(リャンガンド)の情報筋によると、中央政府は乗用車、トラック、オートバイなど国内のすべての車両のナンバープレートを9月末までに交換せよとの指示を下した。同様の作業は2016年にも行われているが、それから6年で再び行う背景はわかっていない。

(参考記事:北朝鮮、車両のナンバープレートを一斉更新…背景に不正の横行

費用は1台あたり10万北朝鮮ウォン(約2000円)。ナンバープレートは、国が外貨を払って海外から輸入したもので、その費用を負担せよというのが徴収の名目だ。しかし、ナンバーの交換を行う車両監督所では、1台あたり25万北朝鮮ウォン(約5000円)から30万北朝鮮ウォン(約6000円)も要求されるという。

「国が定めた額しか払えない」と言うと、車検で様々なイチャモンを付けられ不合格にされかねないので、所有者は泣く泣く、ワイロの含まれた高額の費用を支払うしかない。

一度に多くの所有者が殺到したため、車両監督所には長蛇の列ができているが、幹部やトンジュ(金主、新興富裕層)はカネとコネに物を言わせて、すぐに交換してもらえる。それがない人々は、何度も車両監督所に足を運ぶ羽目になるという。

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咸鏡北道(ハムギョンブクト)の別の情報筋によると、車両監督所の担当者は、ナンバーと登録書類を照らし合わせ、購入年度が異なっているなど、様々なイチャモンを付けて露骨にワイロを要求、オートバイ1台あたり20万北朝鮮ウォン(約4000円)の支払いを余儀なくされる。

そもそも、車やオートバイの免許取得から購入、登録に至るまで、ありとあらゆる過程で、高額のワイロを要求される。それに加えてナンバープレートの交換にまでワイロを要求されるとあって、「もう乗らない方がマシだ」との声すら漏れ聞こえるという。

しかし、車両は自らの足となるだけでなく、人や物を運び、儲ける手段であるため、手放す選択肢はないだろう。

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(参考記事:北朝鮮のオヤジは「タクシー運転手」が夢の職業

こうやって集められたワイロは、国庫に入るのではなく、車両監督所や様々な機関の幹部の懐に入る。それにもかかわらず、黙認している当局に対して、多くの人々が怒りを示しているとのことだ。

当局が、全く取り締まりをしていないというわけではないが、放置しても体制の存続に影響を及ぼさない収賄よりも、体制に深刻な影響を与えると判断している韓流コンテンツの取り締まりなどに熱心に取り組んでいる。

(参考記事:ワイロ要求のネタに転落した金正恩の「反社会主義」取り締まり