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世界広しと言えども、おそらく北朝鮮でしか使われないであろう言葉「国家密輸」。国の承認または指示に基づき、通関手続きを経ずに行われる「公式の密輸」のことだ。

先月初旬と中旬、中国と国境を接する両江道(リャンガンド)の三池淵(サムジヨン)と普天(ポチョン)で行われたが、主導したのは国家保衛省(秘密警察)だった。

現地のデイリーNK内部情報筋によると、先月27日の戦勝節(祖国解放戦争勝利記念日、朝鮮戦争の休戦協定締結日)に、住民に物資の配給を行うため、極秘裏に行われた。

その中身は小麦粉、食用油などの食品で、中国製の東風トラックに積まれ、密輸された。

三池淵を通じて密輸されたものは、三池淵市民に、普天を通じて密輸されたものは恵山(ヘサン)に住む戦争老兵(朝鮮戦争参戦者)と栄誉軍人(傷痍軍人)、朝鮮労働党、保衛部、安全部(警察署)の人員に配給され、少量の残りは、一般市民にも分け与えられた。

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戦勝節当日、首都・平壌では大規模な行事が行われ、「戦勝記念日」を華々しく祝った。金日成主席が抗日パルチザン活動をしていたと伝えられる革命の聖地、三池淵で何もしないわけにはいかないとして、今回の配給が行われることになった。

しかし、両江道の主要幹部が集まっている恵山に何もしない場合、反発が予想されたため、こちらも配給の対象となったようだというのが、情報筋の説明だ。

この手の国家密輸は、今年2月16日の(金正日総書記の生誕記念日)80周年の前にも行われた。

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(参考記事:北朝鮮・両江道で2年ぶりに「国家密輸」再開

ただ、2月と今回の国家密輸で違う点は、警備が大幅に強化されたことだ。密輸に使われたトラックは、民間人ではなく国家保衛省所属の兵士が運転し、国家保衛省の要員2人が同乗したという。また、両江道保衛局と各市、郡の保衛局の要員をルート沿いに10メートル間隔で立たせて、警備に当たらせた。あまりの物々しさに、「元帥様(金正恩総書記)が視察するのではないか」との噂が立ったほどだったという。

厳しい警備の理由について、情報筋は次のように見ている。

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「コロナ禍で国境を全面封鎖し、移動を制限しているため、生活苦に喘いでいる住民の不満が相当高い。そんな不満を意識したのか、国家保衛省は、今回の密輸だけは徹底的に秘密にするために、民間人を排除して保衛部の要員だけを動員したようだ」

ただ、そんな努力も虚しく、今回の国家密輸の件は海外にまで伝わってしまった。現地でも遅かれ早かれ、噂が広まるだろう。徹底した秘密主義国家の北朝鮮だが、いかに情報漏えいを防ごうとしても、極めて機密性の高いものを除き、国内外で広まってしまうのだ。

(参考記事:「秘密主義国家」北朝鮮で深刻化する機密情報ダダ漏れの実態

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