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韓国の朝鮮日報は1970年8月29日、政府が当時流行していたハプニングという前衛芸術とヒッピーが、社会に退廃的な風潮を巻き起こすと判断、ソウル市警に取り締まりを指示したと報じている。ソウル市内では「長髪族」595人が取り締まられ、うち204人は髪を短く切られる処分を受け、58人は略式起訴された。

朴正煕軍事政権下では、長髪のみならず、シースルーの服、ホットパンツ、ピアスなどファッション全般に対する取り締まりが続けられたが、クーデターで政権を掌握した全斗煥氏が、大統領に就任した直後の1980年9月6日、取り締まりの中止が命じられ、民主化後の1989年には、軽犯罪処罰法の頭髪取り締まり条項も削除された。

2021年に施行されたソウル市の学生人権条例には、学生は服装、頭髪など容貌において自分の個性を実現する権利を持ち、学校や教職員はそれを規制してはならないと定めている。「上の者が下の者を善導する」というパターナリズムの時代は終わったといことだ。

さて、一方の北朝鮮だが、未だにパターナリズム全開だ。異色的(外国の文化の影響を受けたもの)な文化は資本主義的で、社会を蝕むから排除してしまえという理屈だ。両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋は、恵山(ヘサン)市内の高級中学校(高校)で起きた一件を伝えた。

両江道、恵山市当局と社会主義愛国青年同盟(青年同盟)は、糾察隊(取り締まり班)を立ち上げ、初級中学校(中学校)と高級中学校の生徒の服装とヘアスタイルの取り締まりに乗り出した。

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それに運悪くひっかかったのは、恵花(ヘファ)高級中学校2年生の女子学生5人だ。彼女らは髪を染めていたのだが、それが「資本主義遊び人風を助長する」という理由で取り締まられ、恵山市青年同盟の糾察隊室に連行されてしまった。

その中には、クラスの初級団体委員長など、熱誠者と呼ばれ体制への忠誠心が高いとされる生徒も含まれていた。他の生徒の模範となるべき彼女らが、非社会主義行為を行ったということで、さらに大きな問題へと発展してしまった。

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情報筋によると、卒業者がこのような取り締まりにひっかかり、処罰を受けたことはあったが、高級中学校の生徒が取り締まられた今回のケースは非常に珍しいとのことだ。当局が、若者に対する思想教育に力を入れる中、見せしめにされたのかもしれない。