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朝鮮人参とともに、中国で人気のある北朝鮮製品と言えばタバコだ。以前は中国で開催される見本市の北朝鮮ブースでは、高級品の「7.27」など、タバコの売り込みが熱心に行われる様子が見られた。だが、それも今は昔。

北朝鮮は2020年1月、新型コロナ対策として国境を閉鎖、貿易を停止した。これにより北朝鮮からの輸出もできなくなってしまった。輸出に依存していたタバコ産業は、大きなダメージを受けた。

良質なタバコ葉を供給していた北朝鮮の咸鏡北道(ハムギョンブクト)穏城(オンソン)郡の倉坪(チャンピョン)労働者区にある4.25タバコ農場は、農場の土地を農民に貸し出して他の作物を栽培させるなどして、生き残りに必死だった。

(参考記事:コロナ鎖国で苦境の北朝鮮タバコ農場、作物を転換

そんな状況にようやく変化の兆しが見えだした。詳細を現地のデイリーNK内部情報筋が伝えている。

農場は、過去2年間できなかったタバコ葉の輸出が近々再開されるとの確信を抱き、今年2月に種まきを行ってタバコの苗を育て、先月下旬からは畑に植え替える作業が始まった。すべての作業班を動員した、本格的なタバコ栽培の再開だ。

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農場は活気に満ちて、子どもから70代の老人までが動員され、苗を畑に植え替えている。農場側は、農場員の苦しい生活を考慮し、植え替え作業期間中に食事を提供している。食べ物がなくて作業に出られないという人には、食事が用意するから出てくるように説得。それにつられて多くの人が畑に出てきて、熱心に働いているという。今年こそは輸出が再開され、収入が得られると見込んで、先行投資をしているのだろう。

(参考記事:「もう食べるものがない」金正恩の足下で響き渡る悲鳴

しかし、中朝貿易の今後には、農場の期待とは異なり、暗雲が立ち込めている。貿易の7割が通過すると言われている中国・遼寧省の丹東は、先月25日からロックダウンに入った。また、2月から運行されていた北朝鮮と中国を結ぶ貨物列車も、29日から運行が中断された。

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タバコ農場のある穏城の対岸の吉林省でも、多少落ち着きつつあるものの、依然としてコロナの新規感染者が発生している。

ただ、悪いニュースばかりではない。中国から運び込まれた貨物を隔離、消毒する、義州(ウィジュ)飛行場にできた国家西部物流総合処理場は、多くあった貨物の一部が国内に運び込まれたものの、依然として飽和状態だと、米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)が報じている。コロナ前とは比べ物にならないもの、活発に貿易が行われている様子がうかがえる。

(参考記事:再開されたばかりの中朝貿易から手を引く北朝鮮企業が続出