米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は21日、中国・上海に派遣された北朝鮮の女性労働者20人と担当支配人の男性1人の計21人が、先月中旬から消息不明となっていると伝えた。集団脱北の可能性があるという。
中国では2016年4月にも、浙江省寧波市の北朝鮮レストラン「柳京食堂」の女性従業員と支配人の計13人が韓国に集団亡命している。
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RFAによれば、女性らは上海のアパレル工場で働いていたが、中国当局の方針に従い新型コロナウイルス対策として隔離生活中に姿を消した。工場側から報告を受けた北朝鮮の総領事館が中国公安当局に協力を求め、国境へ向かう鉄道駅などを中心に、行方を追っているという。
国連安全保障理事会の対制裁決議2397号は、北朝鮮が外貨獲得のため派遣した労働者を2019年12月22日までに送還するよう加盟国に求めている。これに従い、中国でも北朝鮮労働者の撤収が続いていたが、北朝鮮が2020年1月に新型コロナウイルス対策として国境を封鎖したことで、動きが止まっていた。
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またこの間、北朝鮮当局は外貨事情のひっ迫から派遣労働者の上納金ノルマを強化。中国では、過酷な条件に苦しむ女性労働者が自ら命を絶つケースが相次いでいるとされる。