金正恩の聖地で「吊し上げの刑」…男女5人がふけった禁断の行為

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踏事(タプサ)とは、金正恩総書記の祖父・金日成主席の抗日パルチザン活動の足跡をたどる一種の聖地巡礼を指す、北朝鮮の用語だ。

様々なコースがあるが、いずれも山奥で、聖地巡礼だけあって徒歩での移動を強いられることから、非常につらいものだ。そんな最中、聖地で厳禁された行為にふけっていた組織の幹部が取り調べを受けていることがわかった。

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咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋が事件の詳細を伝えている。

社会主義愛国青年同盟の咸鏡北道委員会は先月22日、光明星節(先月16日の金正日総書記の生誕記念日)と関連した行事として、踏事を企画した。

道内の大学生と高級中学校(高校)の卒業生を対象に代表を選び、道内の革命戦績地を巡る踏事を行い、金正日氏が大学生の頃に詠んだという詩「白頭の行軍路を歩み続ける」の朗読を競わせるコンクールを行った。

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行事終了後は帰宅することになっていたのだが、清津(チョンジン)鉱山大学の青年同盟委員会のイルクン(幹部)である男女5人が、戦績地からほど近い場所に車を停め、あらかじめ用意していたのか酒とツマミを取り出して酒盛りを始めた。それが戦績地の保衛員(秘密警察)にバレたというのが、事の次第だ。

2月の極寒の道を行軍し、数時間に及ぶ行事を終えて、「冷え切った体を温めるため」と言いながら厳禁された行為に興じたのだ。

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この行為は、朝鮮労働党咸鏡北道委員会(道党)と青年同盟の咸鏡北道委員会にすぐに通報された。そして翌日、道党と青年同盟に呼び出され、激しく罵られた上で、思想闘争の舞台に上げられた。

つまりつるし上げを食らい、「一般の愚か者でもなく、隊列を率いる旗手であるべき青年イルクンが、戦績地で酒盛りを開くとは、その資格を既に失ったも同然だ」などと、けちょんけちょんに批判された。

最終的な処分は下されていないが、青年革命家のイメージを乱したとの理由で、解任、撤職(更迭)されるというのが大方の見方だ。

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現在、北朝鮮当局は若者に対する思想教育を強化しているが、その指導的立場にあるイルクンがこの有様だ。酒盛りをとがめられた当の本人たちとて、本気で反省しているとは思えない。

こんな茶番をいくら繰り返したところで、ロシアの侵攻で戦火に包まれた祖国に続々と帰国するウクライナ人のような愛国心は、決して育まれないということに、金正恩氏は本当に気付かないのだろうか。

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