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北朝鮮軍の工作機関に所属する将校が派遣先のロシアで亡命に失敗し、北朝鮮側により4カ月前から拉致・監禁されていると、米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)が8日付で報じた。

暗号技術の専門家…敵軍瓦解工作局に所属

VOAが現地消息筋から得たとする情報によると、この将校は北朝鮮軍の敵軍瓦解工作局(敵工局)傘下の563部隊126部に所属するチェ・グムチョル少佐。平壌のエリート校である金星学院と金策工業大学を卒業し、暗号化技術などのIT専門家として中国などに派遣され、2019年からはロシアのウラジオストク駐在敵公局支局に赴任して外貨稼ぎと情報活動を並行してきたという。VOAは消息筋を通じて入手したチェ少佐の旅券の写真も公開した。

敵工局は対韓国心理戦が主任務とされ、チェ少佐は韓国などに対するサイバー攻撃や、仮想通貨の窃盗に関わってきた可能性がある。北朝鮮メディアは2013年11月12日、金正恩第1書記(現在は総書記)が、敵工局要員らを対象とした「第4回対敵政治活動家会議」の参加者と共に記念写真を撮影したことを報じた。

(参考記事:北朝鮮特殊部隊「敵軍瓦解工作局」の実態

VOAの報道によれば、内部責任者との間に不和を抱えていたチェ少佐は、金正恩政権に未来を期待するのは難しいと考え、昨年7月に北朝鮮の支配下から離脱。モスクワの国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)への亡命申請を準備していたが、9月20日夜、ウラジオストク近郊で現地警察5人に連行された後、消息不明になった。現在はウラジオストクの北朝鮮領事館あるいは近辺の施設に監禁されていると見られるという。

裁判へて解放の例も

北朝鮮は2020年1月、新型コロナウイルス対策として国境を封鎖。海外に派遣された同国人の帰国も禁止していることから、チェ少佐は現在もロシアに留め置かれている可能性がある。

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チェ少佐と連絡を取り合ってきたとする消息筋はVOAに対し、チェ少佐が敵公局のハッキングと反探(防諜)活動について多くの情報を持っていることから、北朝鮮当局は彼の逮捕に血道を上げていたと説明。過去4カ月間、チェ少佐の釈放のため努力したが成果がなく、ロシアがチェ少佐を強制送還するのを防ぐため、国際社会に本人の情報を公開したと明らかにした。

(参考記事:「世界に暴露して欲しい」ある北朝鮮兵士の死を告発した一本の電話

脱北者を無条件で強制送還している中国と異なり、ロシアでは人権団体などの支援を受けた脱北者が、現地での裁判を経て韓国など第3国への移動を認められた例がある。ロシアと北朝鮮は犯罪人引渡条約を締結しているが、脱北者に明らかな犯罪の証拠がない場合、北朝鮮への強制送還を免れる可能性がある。

(参考記事:北朝鮮とロシアが犯罪人引渡条約を締結

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だが、米国務省の2020年の報告書によるとと、ロシアの北朝鮮と隣接した地域では、当局と警察が北朝鮮側から多額のワイロを受け取り、脱北者を北朝鮮に送還する事例が相次いでいるという。

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