金正恩「権力層を集中取り締まり」処刑部隊も見せしめに

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北朝鮮の首都・平壌市保衛局の高位幹部が家族もろとも管理所(政治犯収容所)送りとなった。保衛局と言えば、公開処刑や拷問、管理所の運営を担う、金正恩体制の恐怖政治を象徴する存在だ。ただならぬ事態に、幹部らは震え上がっている。平壌のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

このことは、先月29日に配布された通報資料を通じて幹部らに知らされた。

平壌市保衛局の責任イルクン(部署のトップ)の20代の息子が、韓流ドラマや映画を常習的に視聴するにとどまらず、周りの友人らにソフトが保存されたデバイスを渡していたが、そのうちの一人があらすじを別の友人に話したことから問題が発覚。

朝鮮労働党に密告がなされたが、韓流を含めた反社会主義、非社会主義行為を取り締まる82連合指揮部ではなく、検察所が息子本人に加え、一家全員を逮捕した。また、兵役中だった別の息子も強制的に除隊させた。

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その後、82連合指揮部が取り調べを行った。息子は、韓流ドラマや映画が保存されたデバイスを専門商人から購入、別の人にも流通させていたが、その数が50人に達することがわかった。なお、商人は既に行方をくらまし、逮捕には至っていない。

コロナ鎖国で国境が封鎖されているにもかかわらず、韓流ドラマ、映画のソフトが出回り続けることについて、高位幹部の関与があるものと見られていたが、相次ぐ事件でそれが証明された形だ。

「お上(当局)は結局、不法映像を手に入れて流通させるのは権力層だと見ている。それで集中的に取り締まっている」(情報筋)

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結局一家は、咸鏡北道(ハムギョンブクト)清津(チョンジン)にある25号管理所に送られることになった。ここは釈放のない完全統制区域として非常に悪名高いところだ。

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先日、平壌市保衛局の上部機関にあたる国家保衛省の部長クラスの幹部の息子が、クラスメートらとに韓流趣味に興じていたことが発覚し、一家もろとも奥地に追放される事件が起きたが、今回、通報資料で別の事件の詳細を幹部に伝えたことは、見せしめの効果を狙ったものだと思われる。

また、先月の朝鮮労働党中央委員会第8期第6回政治局会議は、太陽節(4月15日、金日成主席の生誕記念日)110周年、光明星節(2月16日、金正日総書記の生誕記念日)80周年を盛大に祝うために、党と国家機関の任務について詳細を記した決定書を下したが、一連の取り締まりはこの決定書に基づく後続措置と思われる。

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