“キョンミン、今から家に帰るよ”
私には青天の霹靂のような言葉だった。
“南朝鮮という所は、あのように腐った所だったんだな。北朝鮮で聞いた言葉は嘘ではなかった”
彼は泣き声になっていた。
“あんな所に行こうと思った自分が愚かだった”
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面妹のことで胸に大きな傷を受けたヨニルは、なだめる私を残して結局その晩そこを去った。吹雪の夜道を泣きながら去って行ったヨニルの姿が、今も目に浮かんでくる。妹の死がどれだけ辛かったら、あれだけ憎んだ土地に再び帰る決心をするようになるだろうか。彼の心情を今も理解する。
「現実は違っていた」
私はあの時、どうしてそんな映画を見ようとしたのだろうか。今もその日のことを思い出すと、言葉にできない後悔と苦しさが私の胸を痛める。すまない…。今はどこで暮らしているのか…。会いたい。