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北朝鮮では最近、各協同農場の昨年の決算、つまり収穫量、供出量などの計算が完了した。ところがこれをめぐり、様々なトラブルが起きている。

平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋によると、地域の協同農場、農場管理委員会、作業班の班長が春からの農作業開始に向けて準備を進めているが、大きな問題が浮上した。

昨年の農作業を行うにあたって、肥料と農薬などの営農資材購入に必要な費用を借りたりツケにしたりして、秋に返すことにしていたのだが、返済に行き詰まっているのだ。

情報筋が例に挙げたのは、順川(スンチョン)市のある協同農場だ。昨年、市内の牧場から農耕用の牛5頭を借り、その費用として収穫後にトウモロコシ2トンを支払うことにしていた。ところが、収穫したトウモロコシは朝鮮人民軍(北朝鮮軍)にすべて供出させられたとして、費用を払おうとしないという。農場はそのうち返すとは言っているものの、「軍があまりにも多くトウモロコシを持っていったのだから仕方がない」と開き直り、両者の間でトラブルに発展している。

(参考記事:北朝鮮軍「村の娘に鬼畜行為」食糧徴発でも乱暴狼藉

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情報筋の伝えた、協同農場の関係者の言い分は次のようなものだ。

「このトラブルの原因は、農作業をするにあたって何も配給してくれず、持っていくときには蜂のようにたかる朝鮮労働党、軍、保衛部(秘密警察)にある。昨秋は国が軍糧米の収買(買い取り)を強制して、農場ばかりが損をした」

ここで言われている「国家義務収買制度」は、市場価格より安い値段で、国家が強制的に穀物を買い取る仕組みだ。これに対し農民らは、汗水垂らして作った穀物が自分たちの口に入らず、赤の他人のところにばかり行っていると不満を漏らしているのだ。

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実際の収穫量を無視して無理やり穀物を持ち去ってしまうために、農民の手元には何も残らず、借金返済はおろか、食べていくのも困難な状況になっているのだ。

(参考記事:農民も借金取りも途方に暮れる北朝鮮の農村の冬

農場はこの牧場だけではなく、市内に住むトンジュ(金主、新興富裕層)からも、去年の春に肥料と農薬購入代金としてトウモロコシ100トン分に相当するカネを借りたが、その3割しか返せずにいる。今年の農作業のためにも肥料と農薬が必要だが、返済ができていない状態では新たな借金も難しい。

さて、なぜこんなことになるのか。

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鉱工業のみならず農業も計画経済に組み込んでいる北朝鮮では、国家計画委員会が、前年の収穫量を元に、今年の生産量を決める。天変地異などの不可抗力は一切考慮されない。そもそも「前年の収穫量」は、ノルマ未達成で処罰されることを恐れた農場幹部が虚偽で多めに報告している。虚偽報告は深刻なようで、金正恩総書記も警告を発している。

(参考記事:金正恩氏「非社会主義を制圧、根深いホラをなくす」…講習会で強調

このようにして、現実の収穫量より遥かに多い生産目標(ノルマ)が提示されるのだが、以前はこうした事情を踏まえて収穫の買い取りがなされていた。

ところが、コロナ鎖国で食糧不足が深刻化している今は、厳しい「取り立て」が行われるようになり、結果として、農民の手には何も残らない結果を生み出すことになった。こんな激しい搾取をされて、農民がやる気を出すわけもなく、収穫量はどんどん減っていくというわけだ。

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