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北朝鮮の金正恩総書記の亡父・金正日氏は朝鮮労働党書記だった1970年代前半、「3大革命赤旗獲得運動」なるものを提唱した。

思想、技術、文化の「3大革命運動」を浸透させるために、大学卒業を控えた学生と金日成高級党学校の学生、大学を卒業したばかりの技術者や事務員などの若者が、「3大革命小組」として全土の機関、企業所、協同農場などに数人から数十人単位で送り込まれた。彼らは北朝鮮版の紅衛兵とも呼ばれた。

彼らは党の決めた政策に反する活動を摘発し、国のすべての組織を朝鮮労働党の指導の下に組み込んでいった。その過程で現実に合わないやり方を現場に強いたり、技術者を責め立てて現場から追放、虚偽報告やワイロが蔓延るなどの著しい弊害を生んだことで、徐々に下火になっていった。

ところがここ数年、3大革命小組は再び盛り上がりを見せている。北朝鮮の教育省は最近、来年2月に大学を卒業予定の学生の8割を3大革命小組のメンバーに割り当てるとの方針を示した。咸鏡北道(ハムギョンブクト)の場合は、その割合が9割に達する。エリート層、富裕層、幹部の子息などを除いたほとんどの学生を3大革命小組に送り込むということだが、従来の3〜4割より大幅に増加した数字だ。

当の学生たちは、あの手この手を使って、3大革命小組から逃れようとしていると、デイリーNK内部情報筋が伝えてきた。

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その手段のひとつが、急いで「採用証」――つまり工場、企業所、機関に配属(就職)したことを示す証明書を受け取ることだ。これを卒業生の就職を調整する大学の配置科に提出すれば、3大革命小組派遣から逃れることができる。

この採用証は、工場、企業所、機関が採用を決めてから発行するものだが、3大革命小組送りを免れるために、企業や大学の配置課の幹部にワイロを渡して、発行してもらうのだという。

なぜ3大革命小組送りをそんなに嫌がるのか。それは、収入が全く得られないからだ。一方、多くの工場、企業所は稼働がまともにできておらず、国から課された生産計画(ノルマ)や売上を達成できず、従業員に給料も払えず、配給もできない。そんな職場になぜ、行こうとするのか。

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それは「8.3ジル」という習慣のせいだ。一定の金額を払うことを条件に出勤を免除するものだが、企業は授業員からワイロを得られ、欠勤した従業員は商売をして現金収入が得られる、というものだ。企業は企業で儲かり、従業員も儲かるというウィンウィンの制度だ。3大革命小組などに派遣されれば、そんな人生設計もおじゃんになり、一銭のカネにもならない活動に追いやられる。

(参考記事:北朝鮮の国営企業、金欠すぎて従業員にカネの無心

大学や企業にワイロを払う経済的余裕のあるトンジュ(金主、新興富裕層)は、人民経済委員会、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)、国家保衛省(秘密警察)などと関係が深く、便宜上、籍を置いていることがあり、採用証を発行してもらうことなどは難しいことではない。

若者の思想教育に力を入れている国としては、このような現象が広がる現状は好ましくない。

(参考記事:北朝鮮、若者の思想を統制「青年教育保障法」導入へ

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また、上記のような8.3ジルに対しても取り締まりを行っているのだが、極めて非現実的だ。

「国は、8.3は非社会主義現象(風紀紊乱)だとして根絶対象に指定したが、8.3がなければ機関や企業所は回らない」(情報筋)

むしろ、国が今回、3大革命小組派遣対象者を極度に増やしたことで、企業の立場からすると、採用証の発行、8.3ジルの増加が見込めるビッグチャンスとなってしまっているのだ。

最近に入って、3大革命小組に限らず、集団配置や嘆願事業など、本人の意志とは関係なく、誰も行きたがらない地域に派遣して、誰もやりたがらない仕事をさせる事例が相次いでいる。そして、それと比例して不正行為やトラブルも増えているのだ。

(参考記事:各地でトラブル続発、北朝鮮の農村「嘆願」事業

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