中国からの密入国者が摘発され、先月19日から15日間の封鎖令(ロックダウン)が敷かれている北朝鮮北部、両江道(リャンガンド)の金亨稷(キムヒョンジク)郡。
外出は禁じられていないようだが、郡への出入りが遮断され、市場の営業も中止させられた。それが物価の高騰を招いていると、現地のデイリーNK内部情報筋が伝えた。
(参考記事:「感染者ゼロ」の北朝鮮、一部地域で15日間のロックダウン)金亨稷郡で、コメ1キロは4200北朝鮮ウォン(約101円)で取り引きされていたが、ロックダウン後には6000北朝鮮ウォン(約144円)に、トウモロコシ1キロは2200北朝鮮ウォン(約53円)から3500北朝鮮ウォン(約84円)まで急騰した。いずれも恵山(ヘサン)、新義州(シニジュ)など商業都市での取引価格より大幅に高い。
国境を流れる鴨緑江を挟んで中国と向かい合う金亨稷郡は、薬草、くず鉄、松の実、大豆、犬、豚、山羊などを中国に密輸出し、その利益で食糧や生活必需品を密輸入する形で経済が成り立っていた。そのため、地域で流通するコメは中国産だったが、昨年1月のコロナ鎖国後は密輸が困難となり、恵山からコメを取り寄せるようになっていた。
ところが、今回の封鎖令で郡外との交通が遮断されたことで、モノが入ってこなくなり、物価が高騰している。住民は、今月4日に封鎖令が解除されれば、食糧価格がもとに戻るだろうと期待しているとのことだ。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面ただ、食糧や物資の不足と値上がりは全国的に広がっており、今後、安値で安定するかは微妙なところだ。
(参考記事:キムチ用の「野菜確保」を巡り大騒ぎの北朝鮮)