北朝鮮国営の朝鮮中央通信は9日、建国73周年を祝う「民間および安全武力閲兵式が、平壌の金日成広場で盛大に執り行われた」と報じた。閲兵式は同日未明に行われたと見られる。
同通信は金正恩総書記が参加し、「閲兵隊伍に温かいあいさつを送り、激励した」としているが、発言内容は伝えていない。
今回の閲兵式は、17~60歳の男性と未婚女性の労働者と農場員らで構成される予備軍・労農赤衛軍と、治安部隊である社会安全軍を中心に行われ、正規軍(朝鮮人民軍)の主力や戦車、弾道ミサイルなどの重装備は参加しなかったもようだ。
北朝鮮は確認されているだけで過去4回(2002、08、11、13年)、建国記念日に予備軍主体の閲兵式を行っている。新型コロナウイルス対策で厳しい防疫措置を敷く中、敢えて閲兵式を行ったのは、経済制裁とコロナ禍、自然災害の三重苦で経済難が深刻化する中、国民に団結を訴える目的からと思われる。
ただ、同通信が公開した写真は大勢の参加者が密集する様子を伝えており、防疫優先方針との矛盾もうかがえる。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面閲兵式では金正恩氏とともに、朝鮮労働党中央委員会政治局常務委員の崔龍海(チェ・リョンヘ)、趙甬元(チョ・ヨンウォン)、金徳訓(キム・ドックン)、朴正天(パク・チョンチョン)の各氏が登壇。さらに、「党と政府で長期間、活動した金永南(キム・ヨンナム)、朴奉珠(パク・ポンジュ)、金己男(キム・ギナム)、崔泰福(チェ・テボク)、金京玉(キム・ギョンオク)、金正任(キム・ジョンイム)の各氏が幹部壇に招待された」という。