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[ウィーン 29日 ロイター] – 国際原子力機関(IAEA)がまとめた27日付の年次報告書によると、北朝鮮は、核開発用のプルトニウムを生産していたと考えられている寧辺の原子炉を再稼働させたもようだ。

IAEAは、2009年に北朝鮮が査察官を国外退去させて以来、同国への立ち入りができなくなっており、主に衛星画像を使って北朝鮮の核活動を監視している。

報告書は、寧辺にある5メガワットの原子炉について「18年12月上旬から21年7月初めまで、稼働を示す兆候はなかったが、21年7月上旬以降、冷却水の排出など原子炉の稼働と一致する兆候が見られている」としている。

IAEAは6月、寧辺の施設で核兵器に使用可能なプルトニウムを使用済み原子炉燃料から分離する再処理作業が行われている可能性があるとしていた。

今回の報告書では、2月中旬から7月上旬までの約5カ月にこの作業が行われたとみられるとし、廃棄物処理やメンテナンスであれば必要な期間はもっと短いと指摘。

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原子炉と使用済み燃料再処理施設の稼働に関する新たな兆候に深い懸念を示した。

米国の北朝鮮研究サイト「38ノース」のディレクター、ジェニー・タウン氏は、衛星写真では排水が確認でき、原子炉が再稼働しているとの見方を裏付けていると指摘。「冷却システムのために十分な水を確保するため貯水設備では過去1年作業が行われていたものの、原子炉がなぜこれまで稼働していなかったかは不明だ」と述べた。
「今後数週間、もしくは数カ月、原子炉の稼働に影響を与える恐れがある洪水が発生する可能性があることを踏まえると、このタイミングは若干奇妙だ」と指摘した。

38ノースは昨年、8月に発生した洪水により寧辺核施設のポンプ室に被害が出たとの見方を示した。これを受けて、北朝鮮の原子炉冷却システムがいかに悪天候に対して脆弱かが浮き彫りになった。

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北朝鮮国営メディアによると、季節的降雨により一部の地域で今年洪水が発生しているが、寧辺原子力研究センターに影響が及んでいるとの報告はない。