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米ムーディーズが今年6月に発表した報告書によると、アジア・太平洋地域第5世代移動通信システム(5G)の普及が進んでいるのは韓国、中国、オーストラリア、そして日本だ。中でも韓国は最も普及が速く、今年4月末の5G加入者は携帯通信契約者の27%(1510万人)に達する。ムーディーズは2025年の普及率は韓国で67%、オーストラリアで54%、日本と中国で47%に達すると見込んでいる。

一方、携帯電話そのものの普及率が14.21%(2016年のデータ、Our world in data調べ)で、世界最下位レベルの北朝鮮も、5Gの普及に力を入れているもようだ。

デイリーNKの内部情報筋は、北朝鮮当局が国境線沿いに5Gを使った監視ネットワークを構築し、平安北道(ピョンアンブクト)新義州(シニジュ)の鴨緑江沿いに先月、監視カメラを設置したと伝えた。

カメラは、密輸や脱北が頻繁に行われるが監視の難しいエリアを中心に、100メートル間隔で設置されたという。カメラは360度回転可能で死角を完全になくすことで、密輸や脱北は非常に困難になる。ただ、停電が頻発する北朝鮮で、どれほど威力を発揮するかは不透明だ。

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また、国境警備隊がモニタリングしていた従来の監視カメラとは異なり、秘密警察の元締めである平壌の国家保衛省の作戦室で直接モニタリングするシステムとなっている。これは、国境警備隊が密輸業者や脱北者とワイロをやり取りするなどして、見逃す行為を防ぐためのもので、国境警備隊に与えられたのはメンテナンスの権限だけだ。

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このシステムの一部に5Gネットワークが一部採用されたおかげで、200キロほど離れた国境の様子を、平壌でも容易に監視できるようになったとのことだ。

北朝鮮は5G技術の独自研究開発を進めている。同国の科学百科事典出版社が昨年2月に発行した「情報科学」という書籍には、「第5世代移動通信技術を導入するための研究事業を強化すべき」という社説が掲載されている。また、2019年に中国から5G設備の支援を受けたと、別の情報筋が伝えている。

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「2019年に中国が国境地域に第5世代通信(設備)を設置して、(北朝鮮と)協力することで合意したと聞いている。そのときに(中国から)第5世代通信設備の支援を受けた」(情報筋)

ただ、コロナ禍で設置が遅れ、最近になってようやく作業が始まったとのことだ。

中国の辺防部隊(国境警備隊)は2019年4月、チャイナ・モバイルの協力を受け、吉林省の国境地帯に、中国初の5G国境検問所を設置した。中国中央テレビは、この検問所の監視カメラの動画を、40キロ離れた集安にある指揮センターでリアルタイムで監視できると報じている。北朝鮮が導入したのも、これと同じシステムと思われる。

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依然として大部分が3Gにとどまっている北朝鮮のモバイルネットワークを、リープフロッギング、つまり導入が進んでいない4Gを飛び越す形で、5Gを導入することは困難との見方もある一方で、充分に可能と見る専門家もいる。

北朝鮮の経済・ITを専門とする韓国・北韓大学院大学のキム・ユヒャン兼任教授は「北朝鮮国内の経済状況や制裁などにより、都市全体に大規模な5Gネットワークを構築するのは困難だが、設備を確保した状態なら、一部区間に5Gネットワークを設置できるだろう」と説明した。

その一方でキム教授は「5Gネットワークが動画のような大容量のファイルをリアルタイムに転送するのに有利だが、それなら有線ネットワークでも充分だろう」とし、遠隔地での動画監視システムのためだけに、5Gネットワークを構築することは合理的でないと指摘した。たしかに、有線ならば停電になっても使える。

韓国情報通信産業研究院のキム・ソギョン先任研究員も「5GはLTEより設備をより密に設置しなければならず、費用負担が大きい」として、「もし国境地域で撮影された動画を平壌まで転送しているとすれば、国境地域で5Gの動画を(現地の部隊まで)送り、結局そこから平壌まで有線で送っている可能性が高い」とした。

新義州から平壌まで230キロ離れており、山がちの地形であるため、5Gネットワークの構築は相当数の設備と費用がかかるものと思われる。

キム研究員は「北朝鮮が最近になって、5Gネットワークの技術確保の重要性を複数回強調しており、研究目的にポイントを置いて、試験的な運用として、国境地域の一部に5Gネットワークを構築した可能性もあるものと思われる」とも述べた。

携帯電話普及率がほぼ世界最下位なのに、4Gを飛び越して5Gネットワークを構築する一方で、中国キャリアの携帯電話の使用に対する厳しい取り締まりを行っている。合法的に国際電話をかけるには事前申請が必要など、技術的にちぐはぐな状況となっているのが、今の北朝鮮だ。

(参考記事:国際電話1本かけるのに許可書が必要な2021年の北朝鮮

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