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北朝鮮北部の両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)は、当局にとって都合の良い都市でも悪い都市でもある。町を流れる鴨緑江の川幅は狭いところでわずか数メートル。対岸は中国の吉林省長白朝鮮族自治県だ。

海外に開けたショーウィンドウのような地理的条件だけあり、川べりには普天堡戦闘勝利記念塔、金正淑(キム・ジョンスク)芸術劇場と言った北朝鮮お得意の「記念碑的建築物」が立ち並び、最近の不動産ブームで建てられたであろう高級マンションも雨後の筍のように生えている。その様子は、中国国内外の観光客や長白県の住民の手で画像や動画に収められ、海外に発信されることから、良いプロパガンダとなる。

それは逆に、北朝鮮のリアルな姿が外部から見られることも意味する。当局が外国人には見せたがらない市場の様子も手に取れるように見ることができるが、それだけならまだしも、事件や事故の情報もダダ漏れになってしまう。

昨年8月、市内の住宅で発生した大規模なガス爆発の様子も、中国側から丸見えで、数々の画像、動画が出回った。長屋が全焼し、9人が亡くなる大惨事となった。

(参考記事:北朝鮮のガス爆発事件、対応の遅れで地方トップが異例の謝罪

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それから間もなく1年を前にして、またガス爆発事故が起きたと、現地のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

事故が起きたのは先月27日のこと。恵山市の恵江洞(ヘガンドン)に住むチェさん(40代)の自宅で、プロパンガスが漏れたところに引火、20軒が火の手に包まれた。いずれもハーモニカ住宅と呼ばれる長屋で、以前から火災に弱いとされてきた。

前回同様、消防隊が出動せず、住民が消火にあたった。消防隊が到着したのは、2時間以上経って鎮火した後だった。前回の事故では、対応の遅れから被害が広がったとして、地方政府のトップが住民に謝罪するという異例の事態へと発展したが、何も変わっていなかったのだ。

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死傷者が出なかったのは不幸中の幸いだが、被害に遭った20世帯は、火の回りが速かったせいか何も運び出せずすべてを失ってしまった。それに対しても当局は、食糧、ふとんなど被災者用の品物支給も何も行っていない。

デイリーNKは、北朝鮮国民を対象とした保険の強制加入事業が行われていることを伝えたが、こちらも支給されるかは不明だ。

(参考記事:「保険金は本当に出るのか」謎の保険商品に北朝鮮国民から疑問の声